このレポートの表紙はこちらから。角田浜からシーサイドラインを通って、小さな漁村へお邪魔しますが……?
個人的にお気に入りのシーサイドビューは後で紹介するとして、
到着したのは 【44】 の「五々浜」というところ。 【44】 と 【45】 は近くにあるみたいだけど……?
駐車場に車を止めて、足で探します。
すると、小さな案内版発見。
屋内展示の他にも、この村に滞在したアーティストによる野外展示があるらしい。
元々建っていた緑の小屋に、ロシア語とおぼしきメッセージとイラストが。
これを鑑賞した感想を、良い感じに述べることも、出来なくはないんだけど、
あんまり綺麗ごとは並べたくない。
それより、なんてことないこの小さな村落の風景が、とにかく綺麗。
↑作品ナンバー番外。コヤナギユウさんによる作品名「We are the No.1!!!」
(畑に手袋が干してあった)
暑い、暑い。
とにかく暑い。
決して広い集落ではないんだけど、水牛より遅い牛歩でしか歩けないので時間がかかって仕方ない。
そして、あ、あった~?
……が、休館日!?
まじか!
さっきの妙光寺に続き、なんたる……と、ガイドブックをめくる。
作品紹介のページや地図には休館日について書かれていない。
けれど、目の前にある札には堂々と「火・水、休館日」と書かれている。
昨日は火曜日だったけれど、それは街中だからやっていただけ、西蒲エリアのような地方はきっちりお休みかもしれない。
くまなくガイドブックを調べる気力もなく、道を引き返すと、まだ屋外展示があると案内版が出ていた。
体力は暑さでかなり玄関だけど、せっかくここまで来たんだ。
もう少し付きあおうじゃないか。
新潟に居るって感覚が薄らぐほど、見慣れない風景と照りつける太陽。
「この先、郵便局裏手」と、案内版には書いてある。
けれど、どんどん浜辺の方に誘導され、こんなところに郵便局なんてあるのか、と疑り始めたところ……
あった……!
ホント、村のどん突き。
陸箸をくぐって、家がなくなったあたり。
こんなところに、郵便局があった。
そして、その裏手?
これかー!
左手のクーラーボックスに書かれているのは、おそらくやんちゃな若者の落書き。
右の小屋には砂浜で行ったインスタレーションの様子や、木製の浮きに絵が描かれていた。
これも、この場所ならではのコラボだよね。
さて、この調子じゃこれから行こうと思っていたあたりもきっと休館だ。
そうと分れば路線変更。
休館日のない野外展示でスタンプを集めつつ、新潟スポットをカメラに収めよう。
まずは!
この近くのシーサイドビュー。
新潟の夏、私が一番好きな、海辺の風景。
これ!
角田浜と五々浜の中間地点にあり、もともと有料道路だった。
現在は「日本海夕日ライン」なる別名もあり、その名の通り、あの海の向こうに赤い夕日が沈む。
でも好きなのは海の方の風景だけじゃない。
道路を挟んで山側、ちょうど写真の車があるあたりから、山を見上げると……
どこのアルプスですか、と!
太陽のコントラストが強すぎて、雰囲気伝えきれてません。
とにかくこの山間の風景も、私のお気に入りなのだ。
深々しい緑、いいね~。
そんなわけで、また水と土の芸術祭が関係ないけど、「新潟」のオススメを紹介する。
すでに名実共に「地方B級グルメ」の最高峰となっている、「イタリアン」を紹介しよう。
「イタリアン」とはソースのかかった太麺の焼きそばのことで、おそらく、パスタを食べたことがない人が、話だけ聞いて、イタリア料理を作ってみたんじゃないかと思う。
肉じゃが誕生秘話と同じ路線で。
(肉じゃがはビーフシチューを食べたことがない料理人が、特徴を聞いて作った創作料理が発端)
そうでなければ、ただの悪ふざけだ。
「イタリアン」は新潟市だと「みかづき」というファーストチェーン店で食べれる。
写真は小新のイオン新潟西。
このブログでも、ノーマルなイタリアンは何度か紹介しているので、今回は「ホワイト」を。
ホワイト、それはホワイトソース。
でーん。
「麺リフト」ショットです。
フォークと比較すれば麺の太さが分りますか。
焼きそばにはもやしが入っています。
今まで何人かの関東人にイタリアンを食べさせてきましたが、意外と「マズい」という人はいませんでした。(最初にビジュアルに怯む人は多いですが)
私は子供の頃から食べているので、もちろんマズいとは思いません。
スゴく美味しい!!!とまでは言わないけれど、でも、あのコシのある太麺のともやしのシャキシャキとした食感は「ああ、これこれ」と、口に入れる度になにか、腑に落ちる思いがあります。
西区まで戻ってきたので、近くの“市民プロジェクト”の作品があるという、和菓子屋「にむらや」に立ち寄る。 【P6】
お店なら、休館日は関係ないよね?
しかし……
展示は10月から!
そっかー……そういう場所もあるのか……。
サービスでお茶をいただき、女性店主のお話を聞く。
この「水と土の芸術祭」のこと、第一回の時に起こった出来事、第二回の人手不足、広報不足、新潟市が主催しているというジレンマ。
確かにガイドブックは分り難い。
広報不足だと思う。
私は部外者で、なんの事情も分らない。
でも、でも。
不満を言うのは簡単だ。
グチはシロウトのエンターテインメントだと思う。
これだけ規模も範囲も大きいイベントを回すことは容易じゃない。
それは想像できる。
だからといって、分り難さなどが許されるのか、「仕方ないよね」のひと言で片付けていいのか?
良くない。
良くない、けど、けど。
非難するのは簡単だけど、じゃあ、私に、何ができる?
私に出来ること、微力でも、ある気がする。
知見広く、センスの良いにむらやの女性店主のお話をお伺いして、何か決意めいたものを、胸に抱いた。
時刻はもう17時を回り、日は傾き始めている。
自由に移動できる日は、明日で最後。
今日のうちに、回れる所は、回りたい。
母にもう少し頑張ってもらい、ハンドルを東へきる。
到着したのは関屋。
管懐賓(グァン・ファイビン)さんの作品「心園の渡り」作品 No.【39】 これも2009年の水と土の芸術祭で作られたもの。
早速スタンプ、スタンプ……と思ったら、ない!
スタンプが奪われている……!
お、おのれ……
ふと顔を上げて「タコ公園」の愛称で親しまれている夕刻の風景を見た。
おじいさんと、孫の笑い声。
うつくしいなぁ。
まぁ、いいか。
スタンプのひとつやふたつ。
夏の日は長い。
特に傾いてからが長い。
水平線に太陽が隠れても、空はしばらく明るかったりする。
いける、か?
まだ、いけるか?
今日を逃せばもうチャンスはない。
行ってみましょう、万代町エリア!
いっそいでやってきたのはググッと市街部に食い込んで、信濃川にかかる万代橋を眺められる「やすらぎ堤」、か・ら・の、作品!
王 文志(ワン・ウェンヂー)さんの作品「浴炎鳳凰(よっかほうおう)ーPhoneix From The Flames」作品No.【22】
やったー、まだ入れる!
試練を乗り越えて再生する願いを込めて、3月11日から1ヶ月掛けて編み込まれた巨大な作品。
入口に編み込まれた布は市民から集めた古着だ。
それで人と人の繋がりと温もりを表現しているらしい。
窓から外を覗き込む、良い感じの距離感のカップル。
その隣の窓からの風景。
新潟市の象徴・万代橋とオカリナを練習する青年。
「プー、プー」という音は聞こえていたが、メロディまでは聞き取れず。
……まだ日があるなら。
よし、ダメモトだ!
帰りがけにかすめて行こう!
加藤立さんの作品「WIND」 作品No.【40】
「やったー! 間にあった!!!」
風力発電で浮かび上がる「WIND」の文字。
風の強さに寄って光り方が微妙に変化する。
間にあって、良かった。
フッ
あれ!?
突然消えた、WINDの文字。
上のプロペラは勢いよく回っているから、電力が足りないわけじゃないみたいだけど……?
時計を確認すると、19時。
「きっと展示時間が終わったんだ」
いちばん家に近い前山忠さんの作品「日本海の視界」 作品No.【41】 にも立ち寄った。
けれど、真っ暗な浜辺で作品を見つけ出すのは不可能だった。
「まぁいっか」
近所だと、身内感覚で扱いが煩雑になる。
これもいわゆる「内弁慶」的なものの一種だろうか。
車へ戻る途中、空がピカッと光った。
あまりに何度も何度も光るので、どこかで花火でもしているのかと思った。
違う、カミナリだ。
南で光っていたかと思ったら、今度は西で、東からも。
次第に音も近づいて、バラバラ雨も降ってきた。
昼間はあんなにいいお天気だったのに。
あの青い海を思い出した。
「あ!」
そういえば、佐渡島が見えていた。
「やっぱり当るね。佐渡島の天気占い」
絶え間なく稲光が走る夜空をムービーで捉え、明日のお天気を祈った。