TRIP

【みずつちレポVol.02】1日目:メイン会場・旧水産会館2F『アートってナンダ? 「ヤバイ」以外の言葉が浮かばない』

/
SUCCESS!
新潟市で2012年7月14日から12月24日まで開催されているアートイベント「水と土の芸術祭2012」参加レポート1日目(の2回目)です。
このレポートの表紙はこちらから。お土産屋さんでの興奮を抑えるため、旧水産会館の2階に上がり、
作品を見ることにしました。20120822_2577178

「旧水産会館」の2階に上がると、学校のような趣のある雰囲気に包まれた。

メイン会場は主に4つの建物からなっている。

一番小さいのが「面白半分製作所  03  」で、元は長岡中央水産や北日本石油事務所などが入っていた休憩所。

一番大きいのは、そのアーチ状の屋根から「大かまぼこ」と呼ばれる建物。
朝には競りを行ったり、水揚げ、荷捌きを行って活気があった所。

その1/3ほどの大きさの「小かまぼこ」と呼ばれるサブの魚の荷捌き所。

そして、メインゲートにもなっている「旧水産会館」は2階建ての建物なっている。
1階は巻き網やコンベアなどの機械類をもったハイテク荷捌き施設。
2階は新潟漁業協同組合などの団体の事務所だったそう。

「新潟漁業協同組合」そう、あのお土産品に使われていた手ぬぐいの団体だ。

なんとなく嬉しい。

アートって、何なんだろう。

それは大き過ぎる問いなのかもしれないけれど、少なくとも、
私には身近な物ではない気がする。

職業がデザイナーで、アーティストの友達がいて、身近な気もするけれど、詰まるところ分らない。
たとえば今回、友達を一緒に行こうと誘わなかった。

それは、東京から遠い、ということもあるけれど、
絶対見た方が良い、だとか
絶対に楽しい、だとかいう種類のイベントではないから。

いろいろな作品はあるけれど、
やっぱり、アートは誰でも手放しで楽しめる物じゃないと思う。
分らない物は、分らない。
つまらない物は、つまらない。
けれど、つまらない物が下らない物かと言うと、そうじゃない。
そこが難しい。

崇高なアーティストが描いた抽象画と、
幼児が描いた落書きの差を、私は直感的には感じ分けられない。

アートは、難しい。
そう考えていた。

だから、このイベントには一人(+7つ道具としての母)で遊びに来たのだ。

新潟出身の私が、とある目的で、遊びにきた。

そんな動機でもいいだろうし、立派なきっかけだ。

頑張って「面白がろう」そう思っていた。

大小合わせた部屋の中に13組の作品がひしめき合っている。

20120822_2577179
20120822_2577180

タノタイガさんの作品「水先櫓(仮)」 10
元気よく扉などを突き破っているが実は床も天井も突き破っている。

20120822_2577181
20120822_2577182

一番広い部屋「あかひげラウンジ」 11 に展示してあった旗。
よく見るとカラフルな布に書かれた応援メッセージで埋め尽くされていた。
日比野克彦さんの「種は船プロジェクト」にて、舞鶴から新潟への航海を軌跡が展示してあった。

20120822_2577184
20120822_2577185

アートユニットKiKiKoの作品「汽水域」 16
淡水と海水の混ざり合う場所を、
透明感のある釣り糸を部屋中に渡らせた巨大なトリングスで表現している。

うまく写真で伝えられないのだが、実際に歩いていると遠近感が曖昧になり、
まるで水の中に居るような不思議な間隔になった。

そしてポッと、
「アートって楽しいな」
という気持ちが胸に浮かんだ。

20120822_2577186

こちらは
佐々木秀明さんの作品「雫を聴く」 12

個室に入って戸を閉める。
最初はただ薄暗いだけの部屋だが、動きを止めてじっと息をひそめているとドキッとするくらい大きな音で雫が落ちる。

少し歩けば、足音や服が刷れる音で水が落ちる音なんてかき消されてしまうのに、静寂の中ではこんなに存在感があるのだ。

そして、貯まった水はレンズになり、アスファルトの床に独特の影を落とす。

雫を目で聴く事も、できるのだ。

やばい。

やばいやばいやばい。

これはヤバいかも。

ナゾの興奮に包まれながら、すっかり整理出来ない感情に揺さぶられ始めた。
まだ一番の「お楽しみ」を見てないのに。

今はまだ、この気持ちを「ヤバイ」以外に表現出来ない。

 

水と土の芸術祭 2012 INDEX

【みずつちレポVol.19】新潟、水と土の芸術祭。8月24日(金)~26日(日)の間「知らないのはお前だけ」になります。

私のTwitterを見てくれている方はご存知かもしれませんが (このブログにも1日1回まとめ投稿されてます) 今、新潟に来てて「水と大地の芸術祭2012」をいろいろ見ています。 ↑チケットパスポートと公式ポーチ。 メイン […]

コメントなし

【みずつちレポVol.00】「大地の芸術祭」だけじゃない! 新潟市のアートイベント「水と土の芸術祭」に行ってきた!

このエントリーを「水と土の芸術祭2012レポート」の表紙として、 随時追記・更新していきます。【9月18日執筆完了】 どうも! 新潟生まれ、新潟育ち、東京働きのコヤナギユウです。 新潟、というと他県のみなさんは教科書に載 […]

コメントなし

【みずつちレポVol.01】1日目:メイン会場・旧水産会館1F『いきなりお土産屋さんに入って高まった』

新潟市で2012年7月14日から12月24日まで開催されているアートイベント「水と土の芸術祭2012」参加レポート1日目(の1回目)です。 このレポートの表紙はこちらから。 なぜかメイン会場入場直後、いきなりお土産屋さん […]

コメントなし

【みずつちレポVol.02】1日目:メイン会場・旧水産会館2F『アートってナンダ? 「ヤバイ」以外の言葉が浮かばない』

新潟市で2012年7月14日から12月24日まで開催されているアートイベント「水と土の芸術祭2012」参加レポート1日目(の2回目)です。 このレポートの表紙はこちらから。お土産屋さんでの興奮を抑えるため、旧水産会館の2 […]

コメントなし

【みずつちレポVol.03】1日目:メイン会場・大かまぼこ『自然の力と創造。重油に映る風景と新潟の空』

新潟市で2012年7月14日から12月24日まで開催されているアートイベント「水と土の芸術祭2012」参加レポート1日目(の3回目)です。 このレポートの表紙はこちらから。アートって難しいんでしょ、だったら積極的に「面白 […]

コメントなし

【みずつちレポVol.04】1日目:メイン会場・みずつちカフェとシェアキッチン『腹が減ったら新潟オシャレ飯! 料金は美人料込み!?』

新潟市で2012年7月14日から12月24日まで開催されているアートイベント「水と土の芸術祭2012年」 参加レポート1日目(の4回目)です。 (まだ午前中のレポートなんて、ウソだろ!?) このレポートの表紙はこちらから […]

コメントなし

【みずつちレポVol.05】1日目:メイン会場・面白半分制作所『例えるなら、DIYジブリ美術館1/10スケール! 目指せ頂の鬼太郎ハウス』

新潟市で2012年7月14日から12月24日まで開催されているアートイベント「水と土の芸術祭2012年」 参加レポート1日目(の5回目)です。 このレポートの表紙はこちらから。アートって難しい、面白い、怖い。 多方面から […]

コメントなし

【みずつちレポVol.06】1日目:新潟島エリア信濃川近辺『1日目、やっと終了。もっと欲しいよ、スタンプラリー!』

新潟市で2012年7月14日から12月24日まで開催されているアートイベント「水と土の芸術祭2012年」 参加レポート1日目(の6回目)です。 このレポートの表紙はこちらから。やっとメイン会場を飛び出して、新潟市に散らば […]

コメントなし

【みずつちレポVol.07】2日目:西海岸近辺日和山浜エリア『強すぎる太陽と、南国みたいな日本海』

新潟市で2012年7月14日から12月24日まで開催されているアートイベント「水と土の芸術祭2012年」 参加レポート2日目(の1回目)です。 このレポートの表紙はこちらから。正直、期待していなかったメイン会場。 それは […]

コメントなし

【みずつちレポVol.08】2日目:西大畑エリア『新潟出身の文豪と、新潟三大財閥の別邸にノックアウト』

新潟市で2012年7月14日から12月24日まで開催されているアートイベント「水と土の芸術祭2012」参加レポート2日目(の2回目)です。 このレポートの表紙はこちらから。。真夏の新潟の海は青い! 西海岸~日和山を満喫し […]

コメントなし

【みずつちレポVol.09】2日目:旧齋藤家別邸『新潟が受け継いだ葉の館』

新潟市で2012年7月14日から12月24日まで開催されているアートイベント「水と土の芸術祭2012年」 参加レポート2日目(の3回目)です。 このレポートの表紙はこちらから。節子、これ、みずつちレポやない! ただの旧齋 […]

コメントなし

【みずつちレポVol.10】2日目:古町エリア『老舗のモナカアイスとオギノ式』

新潟市で2012年7月14日から12月24日まで開催されているアートイベント「水と土の芸術祭2012年」 参加レポート2日目(の4回目)です。 このレポートの表紙はこちらから。「旧齋藤家別邸」に魅入られまくりましたけど、 […]

コメントなし

【みずつちレポVol.11】3日目:上堰潟・角田浜『汗疹は海で治せ、天気は佐渡島で読むべし』

新潟市で2012年7月14日から12月24日まで開催されているアートイベント「水と土の芸術祭2012」参加レポート3日目(の1回目)です。 このレポートの表紙はこちらから。1日目は様子見も兼ねてメイン会場を探索、 2日目 […]

コメントなし

【みずつちレポVol.12】3日目:角田浜・五々浜・やすらぎ堤『お気に入りの風景とB級グルメ。駆け込み鑑賞』

新潟市で2012年7月14日から12月24日まで開催されているアートイベント「水と土の芸術祭2012」参加レポート3日目(の2回目)です。 このレポートの表紙はこちらから。角田浜からシーサイドラインを通って、小さな漁村へ […]

コメントなし

【みずつちレポVol.13】4日目:角田山・五々浜『海と時代と人を渡る。おなじもの、ちがうこと』

新潟市で2012年7月14日から12月24日まで開催されているアートイベント「水と土の芸術祭2012」参加レポート4日目(の1回目)です。 このレポートの表紙はこちらから。。前日、南国みたいな太陽と、シーサイドラインの西 […]

コメントなし

【みずつちレポVol.14】4日目:福井・岩室温泉『2日後のパーティと根底。鑑賞の心得は“時間との戦い”』

新潟市で2012年7月14日から12月24日まで開催されているアートイベント「水と土の芸術祭2012」参加レポート4日目(の2回目)です。 このレポートの表紙はこちらから。海辺の村の作品を見て、次に訪れるのは弥彦山ちかく […]

コメントなし

【みずつちレポVol.15】5日目:小須戸『天井のない我が家。生ダダ漏れ母子。』

新潟市で2012年7月14日から12月24日まで開催されているアートイベント「水と土の芸術祭2012」参加レポート5日目です。 このレポートの表紙はこちらから。今日から作品の展示物として生活! ……でも、そういえば担当者 […]

コメントなし

【みずつちレポVol.16】6日目:小須戸『小須戸町屋と全長367kmの信濃川。天井がない我が家』

新潟市で2012年7月14日から12月24日まで開催されているアートイベント「水と土の芸術祭2012」参加レポート6日目(の1回目)です。 このレポートの表紙はこちらから。 西野達さんの作品「知らないのはお前だけ」の、作 […]

コメントなし

【みずつちレポVol.17】6日目:小須戸『“海賊旗”を守れ! 兄妹で桜組加入の喧嘩燈籠祭』

新潟市で2012年7月14日から12月24日まで開催されているアートイベント「水と土の芸術祭2012」参加レポート6日目(の2回目)です。 このレポートの表紙はこちらから。西野達さんの作品「知らないのはお前だけ」 の、作 […]

コメントなし

【みずつちレポVol.18】7日目最終日:小須戸『暇は無味無臭の劇薬』

新潟市で2012年7月14日から12月24日まで開催されているアートイベント「水と土の芸術祭2012」参加レポート7日目、最終日です。 このレポートの表紙はこちらから。西野達さんの作品「知らないのはお前だけ」 の、作品の […]

コメントなし

【みずつちレポVol.20】あとがき「ダイジェストムービー公開! やりきったよ、万歳!」

誰にも頼まれてないのに、一体いつまで書くんですか?って、私も思ってました。 でも挑戦してたんです。 出来る限り早く、出来る限り正確に、出来る限り面白くレポートを書く、ということを。 それは、ダイジェストムービーまでひっく […]

コメントなし