参加レポート2日目(の4回目)です。
このレポートの表紙はこちらから。「旧齋藤家別邸」に魅入られまくりましたけど、
趣旨を戻して芸術祭レポをしようとおもいます!……たぶん。
すでに一度掲載済みの手書きマップですけど、もう一度掲載。
ずーっとコヤナギMAP10にいました。
次のターゲットはすぐ近く。
コヤナギMAP11
北方文化博物館 新潟分館
ここは横越の大地主・伊藤家の持ち家を分館として開放。
書家で歌人の會津八一(あいづやいち)が晩年を過ごした家でもある。
そこに展示されている書こそ、今回のターゲット。
華雪さんの作品「日/記」 作品No.【28】
新潟ローカル新聞「新潟日報」の「日」の字を重ね、自分の「日」を探ると言う作品。
頭に「狂気」の二文字が浮かびました。
アートって、アートって……!
気がつけば時計はとっくに正午を通り過ぎ、お腹はペコペコ。
思いのほか「旧齋藤家別邸」に長居しちゃったからだ。
実は友達と待ち合わせしていた。
東中通の友達オフィスを目指す。
↑途中、通り過ぎたママズハンドメイドな喫茶店「ちえりー」を見つけて腹黒を想う。
友達の通称“スパイク”と合流。
同じ新潟出身なのだが、出会いは東京。
最後に就職し、半年で辞めたブラック企業の同僚で、一緒に過ごした時間は短いはずなのに、絆は深い。
彼は一足早く新潟に帰郷し、このほど独立。
新潟シャレオツエリアのオフィスを覗きにいってきた。
その後、オフィス近くのカレー屋さん「シーマカリー」でランチ。
辛さが選べるのが特徴で、ナンがとにかくデカい!
会うのは数年ぶりなので、お互いの近況などをアレコレ話し、話題は「水と土の芸術祭」に。
コ「水と土の芸術祭、どっか行った?」
ス「いや、近いからいつでも行けると思っていってない」
コ「2009年にあったのも、知ってた?」
ス「いや」
コ「まわりで行った人、いる?」
ス「いや」
……分る。
新潟人って新しい物好きなのに、なぜかこういう祭り事って及び腰だ。
県民性な気がする。
私はとてもスパイクに「何で行かないのー!」なんて言えなかった。
私もきっと、離れて暮らしていなければ、水と土の芸術祭を見ようだなんて思っていなかったし。
っていうか、今回もこんなに熱中してしまうと思わなかった。
コ「今日、時間あれば、古町プラプラしない?」
新潟市の繁華街と言えば、信濃川を挟んで新潟駅側にある「万代」と
元花街で掘りの名が通りに残る「古町」だ。
この頃は万代の方にアルタやビルボードプレイスなど、
オシャレなファッションビルが建ち並び、
古町は劣勢。
古町は歴史がある分、大きな建物が建てづらい。
でもそこがこの街の良い所で、個人経営の趣味の良いショップや、
ちょっと入り難い名店が少し路地を入り込めばあるのだ。
それになにより、私が高校生の頃は古町の方が賑わっていた。
友達と話し込んでいたせいで町並みの写真をすっかり撮り忘れていたが、
通りは閑散としている。
この日は火曜日で、お店が定休日の場所も多かったみたいだけど、それでも……。
(楽しみにしていた塩糀のお店のお休みだった)
コヤナギMAP13
ぽくぽく歩いていて、窓の大きな雰囲気の良いお店を見つけて思い出した。
メイン会場で一番最初に入ったお土産屋さん。
本店が古町にあるって言っていた。
本当にぼんやりしていて、写真を撮り忘れちゃったのでリンクを貼っておく。
「ヒッコリースリートラベラーズ」は日常を楽しむことをテーマにしたデザイン集団で、
店内はちょっとかわいい雑貨と、ちょっと良さそうな衣類が沢山並べられていた。
店員さんにお話をお伺いすると、代表の迫一成さんはなんと福岡出身。
新潟大学へ通うため、新潟にやってきて奥様と出会い、そのまま新潟で暮らしているとか。
新潟大学……デザイン科なんてあったっけ?
「デザインの勉強はしていないです」
なんと現場叩き上げ!
しかも今、プロフィールを確認したら1つ年下じゃないか!
「私たちはいわゆるBtoBといった企業のお客様を相手にしてるんじゃなく、
一般の方に向けて、デザインの仕事をしています」
一般の方に向けてってどゆこと?
「例えば、ウェディングの引き出物や、ウェルカムボードとか」
パンフレットを見せてもらったら、かわいい!
そして、安い!!
顔が見える相手のために、デザインをしてよろこんでもらう。
それってどんなデザイナーにとっても理想の姿だと思う。
だけど、現実は厳しい。
個人が相手だけに単価は上げられないし、基本的に単発だ。
「初めまして」と挨拶するたびに、仕事のワークフローを説明して、デザインが魔法じゃないことを分ってもらって、確認して、納品して……。
「顔が見える相手のために、デザインをしてよろこんでもらう」
それは叶いがたい絵空事だと思っていた。
でも、このヒッコリースリートラベラーズという人たちは実現できているのだ。
すごいなぁ。
そのひと言だった。
帰り際、入った時から気になって仕方のなかった張り子の置物を買った。
沖縄在住の張り子作家さんで、新潟をイメージして作ったという「けんしんくん」
大切に梱包してもらって、持たせてくれた。
アパレル、カフェ、おにぎり屋さん。
気になるお店はあるけれど、暑さで集中できず、写真も撮らず。
その時、懐かしい店構えが目に飛び込んできた。
コヤナギMAP14
新潟市民の庶民のおやつ「豆八」!
いただいたのはモナカアイス~!
まんじゅうのようにつるりとした白い最中はサクッと
中も真っ白で脂肪分の少ないバニラアイスがさっぱりおいしい!
元気出たー!
……けど、行くとこないな?
なぜか本日2度目となるコヤナギMAP10「旧齋藤家別邸」にスパイクを誘い、
さっき教えてもらったばかりのうんちくを披露。
閉館ギリギリまで堪能する。
帰り道にオギノ通りにある「オギノ公園」をかすめる。
コヤナギMAP14
この「オギノ」は基礎体温を計って避妊する「オギノ式」を考案した荻野久作博士の自宅近くに建てられたとか。
港町であり、花街が栄えた新潟古町。
そのため、女の身分で所帯が持てた。
そんな新潟の、そんな避妊。
すっかりスパイクを連れ回してしまった。
といっても、主に「旧齋藤家別邸」の魅力について力説したといったところか。
スパイクと解散し、私の長い散歩はやっとゴールを迎える。
ゴールの地は決めていた。
コヤナギMAP15
白山神社
比較的町の中にあるこの神社は、庭園やニホンザル(ノイローゼ気味)の展示があったり市民の憩いの場となっている。
あまりに憩いの場すぎて、神社であるという「神聖な場所」という意識もなく、訪れていた。
今回は神社検定で身につけた礼儀をもって、初のちゃんとした参拝。
本堂の裏に白蛇をまつったお社なんて、初めて見つけた。
おみくじ引いたら大吉だった。
褒められたような気分になって嬉しい。
見上げれば暗くなり始めた空に、スッと線で書いたような三日月が。
時計は19時を回っている。
10時から歩き始めたから……約9時間近くほっつき歩いたことになる。
ものすごい充実感と達成感に包まれながら、
「歩きすぎた」
と思った。
家に帰って「ヒッコリースリートラベラーズ」で連れて帰ってきた「けんしんくん」を母に紹介する。
巨峰と夏野菜が似合ういい男だ。
琉球張り子作家・豊永盛人さんのサイト。
やっと2日目終了!
明日は母も参戦できると言うことで、車に乗って回れる。
天気もいいし、午前中の海の青さが印象的だった。
お天気がいいうちに、行ってみたいなに西蒲エリア!
シーサードラインをドライブしたいなぁ~!