カナダでカヌーしてないことが心残りなコヤナギユウです。
「沖縄・離島 青が特別な色になる旅」、今回は西表島アクティビティのレポートです。
ツアーは「西表島サニーデイ」さんの「マングローブカヌー&由布島水牛車観光」をお願いしてきました。
今回はマングローブカヌー編です!
写真多いよ。
西表島の冬は雨が多く、それなりに寒いらしいのだけど、「南国でしょ?」と思っていた私は超薄着。上原港で待ち合わせした、「サニーデイ」のガイドであるヒデさんは開口一番「寒くないですか?」
と言った。
そのコールに対するレスポンスはこうだ。
「寒いっす!」
靴もあらかじめ伝えておいたサイズの防水靴に履き替え、ライフジャケットを装備するとだいぶ暖かい。カメラや貴重品などを入れる防水バッグがドラム型のリュックでかわいかった。ヒデさん「Amazonで2000円ですよ」⇒ググった。
カヌーのオールを手渡されて、乗り組み口までオールを持って歩く。
つい「ウホホ、ウホホ」とはしゃいでしまった。
途中、地面がぼこぼこと隆起してる箇所があった。
ヒデさん「これ、シャコ(エビみたいなやつ)の穴です」
……この山の全てにシャコが……(ぞわッ)
カヌーには2人乗りと1人乗りがある。
ここはぜひ、一人乗りがおすすめ。
私も初めてで、漕げるか不安だったけど、自分のペースで漕いで行きたいところに行きたい。
漕げなかった時、一緒に乗った人の負担になるのもイヤだったし。
ヒデさんの話によると、カップルでカヌーに乗ってよくケンカになるらしい。
ほら、やっぱり一人乗りがおすすめだよ。
お天気は悪いけれど雨は本降りになることもなく、水面はおだやか。
初めてのカヌーだけど、座っていればひっくり返るようなこともないので、落ち着いてさえいれば漕げなくても沈まない。
時折ヒデさんが投げかけるアドバスをもとに、見よう見まねで漕いでみる。
オールを左右順番に漕がないと回ってしまうこと、
つま先を狙って着水して、身体の側面でオールを水から放す、
右を漕げば右に曲がり、左に漕げば左に、
背泳ぎの要領で漕げばバッグも出来る。
簡単だ。
感覚的に漕げる。
でも……早くも腕が疲れてきた。
こちとら、マウスより重いものを持ったことがない制作業だ。
ヒデさん「押す感じで漕ぐんですよ!」
は?
押す???
私は公園のボートにあるオールのみたく、片方を前から後ろに引くように漕いでいた。
なのに「押す」?
どういうこと?
よくわからん、と戸惑っていると、ツイーッとヒデさんが行ってしまった。
あ……あのヤロウ……。
ムキになって追い付いてやろうと力を込める。
「あ」
突然「押す」が分った。
このオールは一本の長いオールだから、片方を支点漕ぎたい手を反対の手でオールを「押せ」ば良いんだ!
左のオールが着水していたのなら、左手は親指と人差し指で輪を作り、オールを支える程度に持って、足のつま先を狙ってオールの先端を着水。手元に引き寄せられている反対側の右手でオールを「押す」のだ。
ら、楽だ!
ゼンッゼン楽。
しかも、早い!
向かい風とこわばった肩に弱気になりそうだったけど、突然掴んだコツが嬉しくて、グングン漕いだ。
人力で進むカヌーにはモーター音なんてなくて、そよそよと耳をすり抜ける風の音が心地いい。
ここは海も近く、いわゆる汽水域だそうだ。
両側に生い茂るのはマングローブ。
今は満潮だけど、帰りは風景がガラッと変わるという。
目の前の大きなカーブを抜けると、目の前に滝が見えてきた。
バスの中からも見えた、あの滝だ。
もしかして、あそこに、行くの!?
ボート置き場にカヌーを停泊させ、ライフジャケットを脱ぐ。
厳しく人間の立ち入りが制限されているコースには、ここの強者が自然であると言うことをひしひしと感じさせてくれた。
大自然に比べれば、人間の造詣なんて、本当に小手先のことだ。
これは「サキシマスオウの木」といって、壁のように張り出してるのは根。
大きさの比較に自分たちが入ってみた。
暮らせそうな広さだ。
少し進んだ先には、思わず爽健美茶のテーマを口ずさんでしまうせせらぎが。
一見、屋久島のようなうっそう感だけれど、実は大きな違いがある。
それは、西表は苔が育たないこと。
亜熱帯気候である西表島は夏の太陽が強く、苔が弱って育たない。
そのかわり、背力を伸ばしているのはシダ植物で、本州の里山でもみられるような小さいものから、自分が小人化してしまったかのような大きなものまで生い茂っている。
シダの葉の特徴はこのしなるような支柱から、葉が規則的にたくさん並んでいること。
こんな崖を登って行く左右にも、生い茂るシダ植物が確認できる。
南国なんだ、ここは。
ゴールは突然現れる。
トレッキングで暑くて雨具を脱ごうとしたとき、少し開けたところに出たと思ったら、滝の轟音に目を疑った。
着いたのは「ピナイサーラの滝」。
落差55mとのことだけど、目の前にすると倍くらい大きく感じる。
滝が高すぎて、滝壺がない。
大岩に這い上り、念願のポーズをとった。
分りますか。
私の心の中ではこれをやってます。
もうひとつ、やりたいポーズがありました。
わかりますか。(右のみ)
これです。
ええ、楽しかったです。
本当はここで滝の前の池?で水遊びしたりするそうなんですけど、寒いので、できません。
でも凄く入りたかったです。
仕方ないので撮影して遊びました。
すると……
この写真をみたヒデさんが
「今まで11年、ここのガイドをしてきたけれど、こんなに良い写真を見たのは初めてです!」と突然の絶賛!
気を良くした私はここに来るまでに撮ったいくつかの写真をヒデさんに見せる。
ヒデさん「この写真……欲しいです! というか、バナー作ってくださいよ」
ユウちゃん「え? 良いですよ」
ヒデさん「仕事として頼んだら、いくらくらいかかるんですか」
ユウちゃん「私は、ぶっちゃけ高いデザイナーなので、仕事換算しない方がいいです。あれだ、パイナップル送ってください」
石垣島名産のスナックパインはとっても美味しいらしい。
けれど、このときはシーズンではなく、写真を提供する変わりにパイナップルを送ってもらうことになった。
やったー!
そしていよいよランチタイム。
お弁当かと思いきや、なんと……
その場でクッキング!
ヒデさん「ひとりでやってるんで、朝お弁当を作ることまで手が回らないんですよ。ここで調理すればパフォーマンスになるし」
それ合理的で名案!
我々も暖かいものを食べられるの、嬉しいです。
スナックパインの為に物撮りする。
そして大自然の中で八重山そばを食べるという特別感!
「キラーリ」(心の中では“リポビタン、デー!”とか言ってます)
「いただきまーす!」
「う……うまい」(……何やってるんだろうw)
みんなで八重山そばを食べながら、身の上話をしたりする。
ヒデさんがガイドになった経緯や、下戸である私の遊びは学生のころと何ら変らず、逆に一緒に遊べる人が減っている、とか。
ヒデさん「学生のころの遊びって、何してるんですか?」
ユウちゃん「え? ゲームボーイしたり、目に飛び込んできた看板を永延と読み上げたり、奇声を発したり……」
ヒデさん「そっち系ですか」
ユウちゃん「そっちってどっちだよ」
ヒデ「でも僕、実はお二人と同じ年なんですよ」
ユウちゃん「おい、“でも”はどこにかかった?」
“でも”、ヒデさんのおもてなしは最高です。
淹れたてのさんぴん茶を頂きます。
お茶請けはもちろん、黒糖!
石垣島の黒糖は、甘みにコクとまるみがあり、ぽくぽくとかじってついつい何個も食べれてしまう。
またミネラル分が多く、疲れが和らぐと言われている。
この写真でスナップパインをゲットします。
滝の全景を入れようと思うと、動画でないと入らない。
森の中にポッカリと開いた空間は、遠い昔の地殻変動を想像させる。
地層のような横線が入っているのは、砂岩の特徴。
この山の岩はすべて砂岩。石にくらべやわらかく脆い為、山道の砂岩はすり減っている。
守らなければ失われてしまう景観なのだ。
さて、そろそろ次の目的地へ行く為に山を下る。
また、カヌーに乗って、戻るのだ。
土砂が引いて剥き出しになった「サキシマスオウの木」の根。
地中にあった根が地下鉄みたいに張り巡らされている。
地面すれすれから覗き込むと、まるで大きなお城みたい。
シャコの山はさながら悪の要塞か。
お腹も満たされ、黒糖パワーも相まって、帰りは余裕の表情。
西表島固有種のヤマツツジが綺麗だった。
南国っぽい派手さがないのが好印象。
そしてあたりを良く見ると、おや?
行きと風景が違う。
……は! 引き潮だ。
剥き出しになったマングローブの根は独特な形をしている。
潮の満ち引きが激しい為、表面に出て酸素に触れようとする根がこんな形になるんだそうだ。
いまにもサワサワサワサーっと歩み寄ってきそう。
更に先にはこれの進化系も。
……妖怪の大群?
平和で気持ちよいマングローブ森カヌー大冒険はこれにて終了。
これから水牛に乗って由布島へ行くよー!
あ、ヒデさん! スナックパインはいくつ送ってくれるの!?
〈つづく〉
おまけ:食べ物写真用に補正した八重山そば写真も載せておきます。湯気もいりますか?
・西表島SunnyDay(サニーデイ)/カヌー・トレッキング・自然体験のツアーガイド
〒907-1541 沖縄県八重山郡竹富町字上原10-87
TEL&FAX:0980-85-6053
MAIL:info@sunnyday-kayak.com
・ピナイサーラの滝
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最後まで読んでくれてありがとうございました!
この記事は4000文字ありました。
書籍にするとおよそ6ページ分です!
コヤナギの記事は写真もいっぱいあるから、本当に本だったら倍以上のページを読んでると思う。
「活字離れ」とかいわれるけどさ、けっこう読めてるよね。
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