2018
04.08
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ランチからお土産、贈り物まで揃う酒造・八海山の複合施設「魚沼の里」

TRIP, 新潟, 雪国観光圏の紡ぎ方


「新潟」といえば「雪国」ときて「米どころ」そして「酒どころ」と続くだろう。

新潟の日本酒と一口にいってもそのスタイルは多く、いまは「これが新潟の酒」とは断定しがたい。

そんな中でも「八海山」を知らない人は下戸でもなかなかいない。雪国・魚沼でつくられているスッキリとした甘口の日本酒で、女性に人気だと火がついたように記憶してる。

そんな八海山が、酒と文化を育てた里山を身近に感じ、雪国文化が持つ“郷愁とやすらぎ”を感じて欲しいということからつくった施設「魚沼の里」を訪ねてみた。

 

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雪国観光圏の紡ぎ方(閉じる)
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主要駅から車で15分。それでも食べたい社員食堂

 

場所は新潟県魚沼市の長森といところにあるが、最寄り駅は浦佐と五日市。いずれもタクシーで15分はかかるため、交通手段が限られている観光客にはなかなか足が向きにくいといえる。

それでも、八海山がここに魚沼の里をつくったのは、先に書いた“郷愁とやすらぎ”を感じて欲しいということだが、コヤナギが進めたいのは社員食堂だ。

 

 

魚沼の里はいくつかの建物が集まった複合施設で、八海山の酒蔵や研究施設を有した社内施設ともいえる。見学不可エリアもあり、ウェルカムな観光然とした場所より、「お邪魔させてもらう」感覚が大好きなコヤナギには特にグッとくる。

そこには当然はたらいている人がいるわけで、その人たちのための福利厚生としての食堂があり、一般人のわたしたちもこれを利用することが許されているのだ。(キュン)

 

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入り口を入ってすぐに小さな券売機があるのでそこで食券を買う。

12-13時のピークタイムは社員さんの利用が優先されるため、部外者の観光客は手前の小さな囲いの中で着席とのことだが、13時を回ってしまえば全席解放されている。ただ、この時間になると食事数が限定されている「日替わり定食」などは人気で売り切れになってしまうので、自分の中の食いしん坊と相談して時間を決めて欲しい。

 

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里山の木々と夏の青空を思わせる鮮やかな配色に、大きな窓から見える集落の景色がすがすがしい。開放的なキッチンではお母さんたちがテキパキと働いていて、美味しいものしか来ない予感にワクワクする。

 

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お邪魔しているという恐縮感に、少しの背徳感をプラス。

社員食堂で八海山ビールをいただいて、ランチのお出ましを待つことにした。

 

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この日、コヤナギがチョイスしたのは豚肉の塩麹漬け定食。1000円。

大きな豚ヒレが2枚も乗っていて、もちろんお米は美味しいし、具だくさんのお味噌汁は滋味深くて、心もお腹もいっぱいになった。

 

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甘い香りに誘われたら、そこは和と洋が巡り会ったバームクーヘンが生まれるところ

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魚沼の里には八海山の「みんなの食堂」のほか、そば屋の「長森」や、魚沼の食材を使った郷土料理がいただける「武火文火」などいくつか食事処があるが、これらを見て回っているうちにどうしても気になることがあると思う。

どこからともなく甘い顔りがするのだ。

それはとても香ばしく、メープルのような香りもする。

すんすんと鼻を鳴らし、置き石に導かれるようにしてその香りのもとをたどると、この建物に行き着いた。

 

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直線的な外観に気をとられることもなく、一路店内へ。

 

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日本酒や酒粕、それに季節の食材を生かした甘味処で、甘い香りの正体はバームクーヘン。

店内で焼き上げてる様はガラス越しに見学で、カウンターでは試食も出来る。コヤナギのおすすめは日本酒のコクが何とも絶妙な「八海棒夢」だが、季節限定のフレーバーも頻繁に入れ替わっており、まさに一期一会。

2階にはイートインスペースもあり、和菓子の取扱もある。里山の自然を愛でながらゆっくりと……いうわけにもいかない人には禁断の通販もやっているようなので、どうか煩悩を沈めて欲しい。ただ、限定品は通販では手に入らないので、直接行くのには叶わない。

あの甘い香りもすんすん出来ないしね。

 

 

 

雪のちからで最長5年をかけて熟成させる八海山の「雪室」

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もしかしたらだいたいの人はここを目的に来るのかも知れない。

八海山が持つ「雪室(ゆきむろ)」の見学施設だ。試飲スペースやお土産、キッチン雑貨なども取り扱っていて見応えがある。

 

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まずは「雪室」の見学だが、手前の入り口で受付を済まそう。時間が来たら奥の茶色い扉から雪室へ。およそ30分ごとに10名限定で見学できる。

 

 

 

雪室の何がすごいの?

 

「雪室」とは古くから伝わる生活の知恵で、雪が多い地方に残されている冷蔵保存法だ。

冬に降り積もった雪を集め、穴や櫓、上から藁でフタをするなどして保管し、年間を通して低温を保つというもの。天然の冷蔵庫と言い換えてしまいそうだが、そこは全然違うらしい。なんでも、雪で冷やすことで低温なのはさることながら、乾燥を防ぎ、酸化を抑え、臭いの発生も低減できるとか。また、雪の水分とアルコール分子が水素結合し口当たりが柔らかになるらしい。

雪さらしの時も感じたけれど、経験でトライアンドエラーを続けてきた伝統は、すばらしなと思った。

 

雪室の方法には雪の中に埋めてしまう「雪室型」と、貯雪庫に雪を貯めて冷気を活用する「氷室型」があり、八海山では出し入れも可能な氷室型の雪室を有している。これは、食品を冷やす目的の中では日本で最大級の大きさだ。

 

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この日、前日に大量の新酒が保管されたばかりで少し室内の温度が上がっていたという。それでもその室温4.5℃。この冷気は施設中を巡り電気を使わずあらゆるものを年間を通して冷やしている。日本酒は、長いものだと5年を書けてここで熟されるとのこと。雪は財産だ。

 

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そして、なにも熟成されるのは日本酒だけではない。

八海山では焼酎も作っているらしい。雪室の見学路を抜けて細い階段を降りると、そこには魅力的な秘密の部屋があった。

 

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オーク樽の中で眠るのは八海山焼酎。

そして……

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向かいに貯蔵されているのは、個人所有の焼酎。

もちろん雪室の冷気で冷やされており、個々が設定した「その日」まで、ここでで美味しく待っているのだ。

 

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そしてそして、美味しいお酒に囲まれたあとは、その味を確認できる。

 

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八海山自慢の日本酒と焼酎が、(節度ある範囲で)無料で試飲できる。

アルコールが苦手なら、上質な「あまさけ」もいいだろう。

 

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これらはもちろん購入可能で、扉を抜けると「雪室 千年こうじや」という場所で、どれもこれも美味しそうな肴と一緒に販売されていた。

雪室だけに、要冷蔵だったため買って帰れなかったのが惜しいが、そうだ、配送すれば良かった。

 

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「発酵」室は雪室の冷気で満たされている

「発酵」室は雪室の冷気で満たされている

 

最初にやって来たエントランスに戻ってきた。「ユキナカキッチン」というらしい。よく見ると右手にはカフェ「ユキムロカフェ」があり、雪室で眠っているコーヒー豆を使ったドリップコーヒーや、米麹のココアなどがいただける。カラフルなピクルスが美味しそうだった。2階の「okatte」は日本はもちろん世界各国から選りすぐりのキッチン雑貨を扱っており、八海山のオリジナルアイテムも興味深い。

 

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実はコヤナギ、日本酒はもっぱら辛口派で、甘口で“女子ウケする”と有名な八海山には苦手意識があった。

わたしは新潟出身だし、八海山は有名だし、その美味しさはたしなみ程度に分かっておこうと思って、いただいたことは何度もある。それでも先入観が勝ってか、すすんで飲みたいリストには入らなかった。

でもコヤナギというのは単純なもので、生産もとへ赴き話を聞いて肌に感じてみると、雪室を抜けて味わった八海山の美味しく豊かなこと。雪に角がなじみ、こんな味わいになるのかな、と映像まで浮かんでくる。雪国ツアーを介してなければ、こんな風に感じなかったかも知れないと思った。

 

 

Special Thanks

この取材は一般社団法人プレスマンユニオン主催の雪国観光圏プレスツアーで訪れ、交通・宿泊・飲食費をご負担いただきました。記事の監修・編集は受けておらず、金銭は発生しておりません。感想はコヤナギ自身の主観によるものです。

また執筆依頼もないため、自主的に記事化したものであり、PR記事ではありません。

取材にご協力いただいた魚沼の里様、ありがとうございました。

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最後まで読んでくれてありがとうございました!

この記事は3500文字ありました。
書籍にするとおよそ5ページ分です!
コヤナギの記事は写真もいっぱいあるから、本当に本だったら倍以上のページを読んでると思う。

雑誌みたいに800文字くらいでまとめようと思ってるんだけど、文字数制限のないブログに甘えています。

もしも記事がおもしろい・お役に立ったら、シェアやフォローをしていただけると、とっても励みになります!

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