国道253号線から県道427号線に入ると、途端に道幅が狭くなる。
自然の都合に合わせた山道は突飛なほどの湾曲を描き、ハンドルをキツく切るたびに遠心力を感じ、それが山深さへの緊張感につながる。しばらくは人里もないだろう、こんなところに店があるのだろうか。
不安に思ったところでヘアピンカーブにさしかかり、曲がりきると同時に視界が開け、数軒の家が建ってる場所がみえ、車は止まった。
民家にささやかな看板が着いた程度のこの建物が、地元民にも愛される「へぎそば」の名店らしい。
雪国観光圏の紡ぎ方(開く)
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雪国ならではの“二階へお上がり下さい”な入り口
玄関が2階にあるのは雪深い新潟ならではの特徴だ。
一般家庭のような座敷に通され早々に注文を済ますと、やって来たのはお通しと「山くるみ」。
先が二股に尖った短い専用スプーンを使って掘り返し、そのままいただいてもいいし、おそばの薬味にしてもいい。
サービスで本わさびも出てきた。
新潟のそばといえば「へぎそば」だが、少し説明しておこう。
へぎそばは、新潟県の魚沼地方発祥のそばで、つややかななめらかさと、味わい深さが特徴だ。
その秘密は「布海苔(ふのり)」と呼ばれるつなぎ。
「越後上布」を紡ぐときなどに使う糊=海藻をそばを打つつなぎとして使っているのだ。
静かにコツコツと。雪国に育まれた伝統工芸品「塩沢紬」とユネスコ無形文化財「越後上布」
「へぎ」とは「木片」の方言で、木片を合わせた四角い囲い板にいれてそばを提供することからこの名がついたとか。
そばや清兵衛でも、3人前からはへぎに入るようだが、今回はひとり用だったので小さな脱穀用のバスケットに入ってやってきた。
へぎそばは、田舎そばのそばの味がしっかりと楽しめる味わい深さと、つるつるつの舌触り、のどごしが楽しめる贅沢なそばだ。
そばや清兵衛
新潟県十日町市真田丙1896-2
TEL:025-757-1298
営業時間:11:00〜15:00
http://sobaya-seibe.favy.jp/
Special Thanks
この取材は一般社団法人プレスマンユニオン主催の雪国観光圏プレスツアーで訪れ、交通・宿泊・飲食費をご負担いただきました。記事の監修・編集は受けておらず、金銭は発生しておりません。感想はコヤナギ自身の主観によるものです。
また執筆依頼もないため、自主的に記事化したものであり、PR記事ではありません。
取材にご協力いただいたそばや清兵衛様、ありがとうございました。
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