2014
07.25
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暮らすことを慈しむ、6月の上毛町。

TRIP, こうげまち #TNG_KNG


2014年6月7日から9日までと、11日から16日まで、
福岡県と大分県の県境にある「上毛町(こうげまち)」へ行ってきました。

前編はこちら、途中で抜け出して大分に遊びに行った話はこちらね。

 

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滞在先の「雁股庵」のオーナーである吉本さん夫妻と、廃校をリノベーションした西友枝体験交流センター「ゆいきらら」へ行った。
目的は、期間限定の「ホタルカフェ」と、吉本さんから秘密のホタルスポットを教えてもらうため。

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給食室を改築した施設内で、忙しく働くお母さんたちと、美味しそうなとうもろこし。

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上毛町の隣は大分県・中津市。
2014年の大河ドラマ「軍師官兵衛」の影響でとにかく盛り上がっていた。

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初めてお会いした頃は、写真が苦手で真顔になってしまった吉本さん。
いまではこうやって、顔を隠すおちゃめっぷり。

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奥様のかつえさんと仲良して、ほんと、うらやましいカップルなのだ。

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ゆいきらら特性のホタルカフェカレー。
特別なことは、なんにもない。
素朴で、おいしい、まあるい味のする、まあるい家庭のカレー。(400円)

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こちらはコーヒーとケーキのセット。
パウンドケーキは3~5種類の中から選べる。
今日はりんごのパウンドケーキにした。

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こっちもまあるい、味がする。

さて、ホタル撮影は、iPhoneを水没させてしまったほど没頭した甲斐あって、
割とオーソドックスな絵は撮り終えていた。

残すのは、この肉眼で見たような、神秘的な風景。
河原に浮かぶホタルの小雨宇宙。

私のカメラでは、ホタルをとろうと思うと、風景が昼間のように写ってしまう。
どうやら露光時間が長いだけではダメらしい。

あとはどうすればいいんだろうなぁ、と空を仰いだ。

ああ、星が木に成っているみたい。

その星が、降ってきたようなホタルだなぁと思ってシャッターを切った。

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滞在先である雁股庵への帰り道。

シカに出会っても、もう驚かない。

「こんばんは」って感じで。

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ホタルを撮り終えて、だいぶ肩の荷が降りた。

あとは「暮らし」をしよう。

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朝ご飯のチムニーパンは、やっと焦げずに焼けるようになってきた。

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季節は6月。

青々とした雑草が勢力を伸ばし、それを阻止するために吉本さんが草刈りをしていた。

エンジンの力でコードを拘束で回して、草を刈る。

なかなかの迫力。

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草と一緒にすっ飛んできて、私の腕にしがみついた。

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「びっくりしたわ~」

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ランチは裏庭でバーベキュー。

焼肉もおいしい。
まるまんま焼く茄子やピーマン、十時に切れ込みを入れアルミホイルで蒸し焼きにした玉ねぎには、たっぷりのオイーブオイルを。

おいしい、おいしい。

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午後にはおもしろいお客さんがいらっしゃった。

吉本さんがDIYした第三の茶室を見に、隣の中津市から「鏝絵(こてえ)」の保存に務めている方がいらっしゃった。

「これね、美味しいんだけど、保存料も入っていない無添加だから日持ちしなくて。
県外のひとに食べさせたいんだけどなかなか持っていけないのよ」

そういっていただいた手土産は、なんと「ういろう饅頭」!

そういえば、福岡市で「ういろう発祥の碑」なんかも見つけたけど、九州でういろうをいただくとは。

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無添加納得の素朴な色合い。
プリッとお持ちみたい。

それなら、とかつえさんがお茶を入れてくださることになった。

かつえさんと、娘のりえさんは、お茶の先生なのだ。

ちょうど良いタイミングで、あゆみちゃんも到着。

賑やかな、雁股庵。

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あゆみちゃんがういろう饅頭を手にとったので、カメラをかまえる。

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む……

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にぃーーーーー

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ーーーー……ん。

「いつもより多めに延ばしております」って感じで、ありがとう。

一服いただいて。

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「ほ。」

午後はあゆみちゃんのボーイフレンドも合流して、
一緒に金色温泉へ行ったり、
あゆみちゃんちのタンスに住み着いたネズミを退治しようとおもったら、
スズメのヒナだったことが分ってほっこりしたり、
夜には雁股庵にまたあゆみちゃんたちが来て、
みんなで夕飯を食べたり。

しっかりと暮らしを楽しんだ。

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次の日の朝。

滞在するのもあと2日。

余っている食材や頂いたお野菜を一気にお料理。
お盆に載せて、山を下る。

今日はステキなお食事会に参加させてもらうことになったのだ。
私のチケットは、おすそわけの煮物。

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山を下る途中、集落のお宮を直すための木材を積み降ろす吉本さんに遭遇。

草刈り機からクレーンまで運転してしまう、上毛町の人気者な吉本さん。

大入集落の西友枝の谷を折り、今度はまた巣刈谷を登っていく。

有田集落の奥の奥。

ミラノシカもすり抜けて、鹿除けのフェンスも越えて、そこは急斜面のサファリパーク。

こんなところに、人は住めるの?

不安になるくらい山深いところに、これまたDIYで建てられたかわいい山荘があった。

その名も「霧降荘(きりふりそう)」

由来は、朝方にかかる雲海の眺めから。見てみたい。

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見た目はコンパクトだけど、急斜面に建てられており、なんと3階建て。
トムソーヤハウスの様に上から下まで長いハシゴがあって、お風呂は絶景でトイレは清潔!

たくさんの階段や、かまどや、絶景に囲まれて、冒険心がくすぐられてたまらない。

ここは伊藤さんご夫妻の秘密基地。

週末ごとに泊まりに来ては、民泊の受け入れも行っているそう。

ここを作ったのはお父さんで、奥様は野草の研究会を開いているお料理上手。

今日は「ミラノシカ」を手作りした大学生が来るとのことで、野草を使ったパーティが開催される。
そこにお邪魔させてもらった。

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よもぎを加えたうどんを作ってみることに。
これは、伊藤先生も初めての試みで、ドキドキ。

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よもぎうどんはもちろん、うどんを打つことも初めてな学生たち。

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少しずつ水を加えて、耳たぶくらいの柔らかさになるまで、
まぜて、こねて、まぜて、こねて。

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まとまったら生地を少しねかせます。
まぁんまるにまとめて。

それまで、霧降荘の小さな農園で野草を摘みましょう。

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これは乾かし中のキクラゲ。

乾かす前は、この倍くらいの大きさだったんだって。

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霧降荘のすぐ隣に、石垣を積んで、土を盛り、野草を持ってきて小さな畑にしてあった。
摘みやすくてちょうどいい高さ。

畑そのものだって、そうだ、最初は作るんだね。

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「雑草という草はない」と昭和天皇がおっしゃっていたけれど、
食べて美味しい草と、そうじゃない草はある。

美味しい種類をおしえてもらう。

ざるに鎮座されているのは「ユキノシタ」

割と肉厚で、結構しっかりした毛がビッシリ付いていて、
白い線模様が「食べれるの?」と思わせるけど、
熱を通すと毛も柔らかく、肉厚の葉はジューシーになって、なかなか美味しいのだ。

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ユキノシタ、
よもぎ、
三つ葉、
はこべ……

どれがどれだか、わかるかな?

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いけない、ドクダミを忘れてた。

ドクダミは花も天ぷらにすると、美味しく食べられるそう。

花の天ぷらなんて、ステキじゃない?

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カゴの中が、緑の宝物でやまもりになってきた。

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「おいしそうな草」の中でも、どれがより美味しそうなのかも、不思議とだんたん分ってくる。

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大収穫を祝うのもつかの間、寝ていたうどんを起こさなくっちゃ。

起こし方は少しスパルタ。

足で、踏む!

くまなく踏んで、ぺしゃんこになって、それでもモコモコともどろうとする。
これがうどんの「コシ」である。

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延ばしていい硬さになったかこねてこねて、調整。

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霧降荘の主のおとうさんは、山の様にみんなを見守る。

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穴が空かないよう、注意して、伸ばして、伸ばして。

いよいよ……トントントン。

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「うどんになってきた!」

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500gずつ、のはずだったのに打ち粉で増えて、倍くらいになっちゃった。

大丈夫。
食べるメンバーがまた増える。

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かまどに火を入れて、おかまでグリンピースご飯を炊く。

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どんどん進む、晩餐の準備。

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ふと外を見れば、静かな森林の中なことを思い出す。
森林の中は、カエルの声さえ聞こえない、静寂の真ん中。

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お料理も、人間も、お行儀良く、ギュウギュウに並ぶ。

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「いただきます」

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うどんのつけ汁に、無農薬のレモンを浮かべる。

ゆずでもかぼすでもなく、レモン。

初めて食べたけれど、フレッシュ感アップで、美味しい。

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そして、お楽しみの宝の山。

お行儀良く並んで、衣を付けて。

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摘んできたばかりの野草たちは、カリッと揚がった衣の中に、これでもかとたくさんの香りをたくわえて、
前歯であつっあつっと噛み切るサインと共に、ふわっと広がる。
これが森の、生きている香りなんだ、と思う。

たまに油がパンッと跳ね、熱い熱いと逃げまとい、笑う。

そうやって霧降荘の夜は更けた。

食事の後、みんな各々に解散した。

山を下り、みんなにおやすみと別れを告げて……。

iPhoneを水没させてしまった私は、コッソリとミラノシカへ。

雁股庵はインターネットがないので、建物の外から、野良電波、拝借できないかなぁと真っ暗闇の縁側に腰掛ける。
あゆみちゃんも付いて来てくれて、こっそり、こっそり。共犯に。

しめしめ、電波をキャッチした!
メールのチェックを……ピカ!

「こんなところで何やってるんですか」

とあきれ顔の西塔さんに発見される。

えへへ、すいません、インターネットを……。
バツが悪くて、へらへらと笑う。

「ちょうどちょっとテストしようと思っていたので」

と西塔さんが機材を持ってミラノシカを開けた。

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慣れた手つきで、何やら長い棒と、筒状の白い布を組み立てていく。

エプソンと書かれたプロジェクターに、Bluetoothでステレオを繋ぐ。

あっという間に、ミニシアターが出来た。

「いつかここで、面白い短編映画とかの、上映会をやりたいんですよね」

いつか見た、ニューヨークはブルックリンのプロスペクトパークで見た夏の野外シアターを思い出した。

ステキだ、ステキだ。

あんな夏の日が過ごせたら、子ども達の記憶にもきっと残る。

すばらしい一夜になるだろう。

「上毛町じゃないみたい、どこにいるのか、分らない!」

その日を夢見て、興奮してしまった。

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ひとり雁股庵に帰り、なんとなく気が向いて、水没したiPhoneの電源を入れてみた。

は、入った!

……けど、なんかへん。

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なんかダウンライトみたい。
なんでムーディーな感じになってんの。

でも、嬉しい。

朝。
今日、上毛町を出て東京に帰る。

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ぜーんぶパッキングしなくっちゃ。

朝ご飯のサラダを収穫するために、雁股庵を出ると、へび!

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しっぽを掴んだら、逃げてしまった。

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吉本さんが育てているレタスを、食べる分だけ、葉を3枚もぐ。

今回の滞在で、最後になる朝ご飯、いただきます。

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iPhoneが水没してしまって、完全に連絡手段を失ってしまった私に、
地域おこし協力隊で「ミラノシカ」のハイスペック用務員の西塔さんがポケットWi-Fiを貸してくれた。

縁側だとインターネットが出来る。

下界との窓口、縁側。

雁股庵の朝の風景を満喫する。

あぜ道を歩いて、田んぼの先っぽまで。

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深呼吸して、花を観察する。

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燃えるゴミを捨てて、集落を散歩。

散歩道に鳴っている枇杷の実を、ちょっとしっけいして、おやつおやつ。

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子供心のリミッターを取り外して、緑のアーチをくぐる。

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気持ちのいい眺めから、写真を撮る。

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初めて来た、6月の上毛町も綺麗だった。

また来るよ、心の中で話しかける。

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道の途中には梅もなっていた。
赤い点々が可愛らしい。

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この間、ホタル撮影で夜に来た。
順番が逆になっちゃったけど、ご挨拶を。

今日、東京に帰ります。

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綺麗なトンボが止まっていて、思わずカメラを持って追いかける。

新潟(私の田舎)では見たことがないなぁ、こいつ。

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荷物をぜーんぶ積んで、山を降りる。

初日に「ホタルウォーク」に参加した場所に、あのういろう饅頭のおじさんが言っていた「鏝絵」があるから見に行った。

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あった、あった。

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(ここの家の人が、犬好きだったのかな)

「鏝絵」は左官職人さんが行うもので、日本全国に存在しているらしい。
だけど、職人さんの減少とともに、その数は激減。
立て替えてそのまま破棄されているとのことで、あのおじさんはその保護活動をしているそうだ。

この東上集落にももっと鏝絵があったと思うんだけど……時間がない。

レンタカーを返しに中津駅へ、その前に、ガソリンスタンドへ。

ひょんなことから仲良くなった、ガソリンスタンドにお兄ちゃんとも「また来るよ」って約束して、
レンタカー屋のお姉さんとも仲良くなって、また来るって約束して、
霧降荘の伊藤さんとも、雁股庵の吉本さんとも約束をした。

「また来てね」
「また来ます」

そうやって約束できることが本当に嬉しい。

生まれ育った町でもないし、親戚だっていないのに、何度だって出迎えてくれる。

口に含んだ野草の天ぷらの様に、「地に足の着いた人間の暮らし」を思い起こさせてくれる上毛町は、
私の大事な田舎町だ。

みらいのシカケ
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