まさかまさかの今さら「石巻に桜を見に行ったよ」旅行記怒濤の再開です。
時はギュギューンと巻き戻り、
2013年4月19日から22日まで、東京から高速バスを乗り継ぎ、仙台経由で桜前線を追いかけて、石巻に来ました。(最初から読みたい方はこちら)
石巻2日目は桜の他にクロサワさん達が立てた「がんばろう!石巻」看板を見たり、ショールームにお邪魔したり。
3日目はまるまるフリータイムの予定だから何しようかな!?
目が覚めたら……雪!
本当はフェリーで30分の猫島でも行こうかと思っていたんだけど、クロサワさんの助言を聞いて辞めておいて良かった。
こりゃ帰って来れない。
朝ご飯をとあてにしていたマルシェも休日。
そうか、今日は日曜日だ。
平日ならここで海鮮丼などが頂けたそう。
窓越しに恨めしく眺める。
やってないんじゃ仕方ないやと町をプラプラ。
ガラス張りのステキっぽい外観になんとなく吸い寄せられる。
「こんにちはー」
中にいたのは地元の中学生。
ここは「イトナブ」という学びゾーンで地元の中高生がITのプログラムなんかを勉強しているそう。
それにしても洒落た室内。
それぞれが興味あるアプリの開発をしてるんだって。
石巻の中学生がどんなアプリを作るのか、凄く興味ある!
とはいえ、完成はもうちょっと先みたいなので、私は引き続き町をフラフラ。
中州にあって津波の被害にあってしまった、市の指定文化財「旧石巻ハリストス正教会」の
現・「石巻ハリストス正教会」を見つけたりして。
その隣にあったのがカッコイイコンテナ。
市内外の作家から手作りの雑貨やお菓子、ポストカード等を販売しカフェも併設。
コヤナギ「ランチできるんでしたっけ~?」
店員さん「すみません、今日は仕入れ日で本当は営業してないんですよ」
コヤナギ「え!?」
店員さん「実はいま、閉めようとしていたところで……」
コヤナギ「すすす、すいません! さっさと写真だけ撮ります!」
昨夜からご飯運がない。
なんとなく駅前方面に足を進めると、なんだか重厚な門が開かれていた。
「桜」……!
そーだ、私は桜を撮りに来たんだ!
満足できる立派な桜をカメラに収められて、胸はいっぱいだけど、お腹はペコペコ。
あと、極寒です。
いい加減、地図を広げてご飯を食べれるところを本気で見定めることに。
お、近くに良いところがあるぞ。
ジビエ(野生の鳥獣肉)料理の週末限定レストラン「日和キッチン」
ご覧の通りオシャレです。
カレーランチをチョイス。
鹿肉のカレーといのししベーコンのコンソメスープ、上品で美味しい。
美味しいと言えば、行きたいところがあったんですよ!
続きましては……
地元の高校生が運営する「石巻カフェ「」(カギカッコ)」
メニューから店内の雰囲気まで青春と若者の趣向でいっぱい。
良いわぁ。
飲んだら泡が付いてきちゃう「白ヒゲコーヒー』とワッフルをチョイス。
いやー、正直食い倒れ気味だよね。
さてさて、この後はどうしようかなーと思ったら電話が鳴る。
電話『コヤナギさん? カーシェアリングのアオヤマですけど……』
コヤナギ「あ、どーも!」
私が石巻へ来た理由、2つめの偶然。
以前書いたように、1つの偶然があって「石巻」が気になって仕方なくなった私。
だけど被災地である石巻。
がっつり取り組めるボランティアでもない私が、訪れていいものかどうか分らなかった。
そんなとき、友達がTwitterでこんな情報をシェアしてた。
「READY FOR?」というサイトで石巻のカーシェアリングに応援金を募集していたのだ。
・石巻のカーシェアリングを応援しよう!第2弾(吉澤武彦) – READYFOR?
この試みは単に募金するだけでなく「リターン」という形で支援者と関われるのが特徴。
クリエイター向けのファンドの「イイコト」版ってわけだ。
この募集のリターンが目に留まった。
石巻に来られた際、利用者の方がカーシェリングの車で石巻をご案内致します。
……「石巻をご案内致します」ってことは……行ってイイってコトだよね!
そんなわけで、サクッと支援金を振り込み、プロジェトは無事にサクセス。
リターンのデコパージュ石鹸やストラップも届いて、「石巻案内」をしてくれる連絡先もゲットし、連絡しておいたのだ。
でも約束は明日のはずだけど……
青山さん「コヤナギさん、今日は何してるの?」
コヤナギ「いや、町をフラフラしようかと思って……」
青山さん「今日、俺、ヒマになったからさ、案内して挙げるよ」
コヤナギ「ええ!」
青山さん「いまどこにいるの?」
駅前に颯爽と現れた青山さん。
最初に「がんばろう!石巻」看板へ案内してくれて、次に連れて行ってくれたのが、全焼してしまった小学校。
青山さん「写真撮っておいで」
コヤナギ「い、良いんですかね」
青山さん「そりゃ良いさぁ」
丁度バスで小学校を見に来ている団体さんもいた。
青山さん「本当は今日、車は俺の番じゃなかったんだけど偶然空いてね。
コヤナギさんの声聞いた時から気になってたんだ~、
こりゃ若い女の人だって。俺の勘は当ったね、来て良かった」
よ、喜んでもらえたのなら恐縮です。
青山さん「もちろん明日も案内するから。とりあえず女川とかも津波の被害あったから、行くか」
目の前に展開する惨状と軽妙な青山さんのトークに面を喰らいながら案内してもらう。
聞けば青山さん自身も被災者だそうだ。
「カーシェアリング」に登録する一利用者で、同じ仮設住宅に暮らすおばあちゃんたちを病院や美容室に送迎しているそうだ。
コヤナギ「美容室、ですか?」
青山さん「やっぱり馴染みが良いんだろう。牡鹿半島の美容室まで送っていくんだよ。
タクシーで行けば5.6,000円はするだろうからね。
気持ちで500円とかくれるんだよ。
ガソリン代や手間で考えたらね、赤字だけど、ありがとうって言われるのが嬉しくてね。
こんな俺でも役に立てるのが、嬉しいんだよ」
コヤナギ「そうなんですか」
青山さん「コヤナギさんみたいな女の子にも会えるしね。俺も最近までは東京で暮らしてて、35才の彼女がいたんだよ」
コヤナギ「モテモテですね」
青山さん「モテモテって、俺はコヤナギさんが彼女だったら嬉しいなーなんてね~」
ハハハ……
夕飯は青山さんが連れて行ってくれた釜飯屋さんへ。
私は彼女になれないですけど、うちの母なんてどうです?と写真を見せ、品定めする青山さん。
2世代射程距離範囲内なんて、器の広い漢です。
釜飯もおいしかった。
そして、お会計をさせてくれない青山さん。
お、漢だ。
彼は今、被災地のカーシェアリングの人ではなく、漢として私と会っている……!
その後、津波でも流れなかった「釣石」を見に行くことにした。
青山さん「俺も噂で聞いただけで、見に行ったことはないんだよ」
上のしめ縄がかかった巨石が津波で流れなかった「釣石」
手前の石と合わせて夫婦岩で「釣石」が男性器を模していると説明が紀を発見すると大喜びする青山さん。
男子や。
今年60才になる青山さんもこの長い参道の階段をがんばって一緒に登った。
褒めてくれるみたいに桜が咲いていた。
青山さん「コヤナギさん、明日は何時に帰るの?」
コヤナギ「仙台を夕方発の高速バスで東京に戻ります」
青山さん「じゃあ、明日は松島の遊覧船に一緒に乗ろう。その後仙台まで送っていくよ」
なんだか不思議なデートになって参りました。