TRIP

6月のプリンスエドワード島を旅する

/
/
SUCCESS!
プリンス・エドワード島は世界じゅうでいちばんきれなところだって、いつも聞いてましたから自分がそこにすんでいるところをよく想像していましたけれど、まさかほんとうにそうなるなんて夢にも思わなかったわ。想像していたことがほうになるって、うれしいことじゃない? だけど、この赤い道とてもおもしろいわ。「赤毛のアン」著・モンゴメリ、訳・村岡花子

カナダの東側、セントローレンス湾に浮かぶ「プリンス・エドワード島」(PEIと略す)を説明するとき、「赤毛のアン」に触れないわけにはいかない。

 

大きさは愛媛県とほぼ同じくらいで、島ひとつで「プリンス・エドワード州」になっている。「赤毛のアン」著者ルーシー・モード・モンゴメリの生まれ故郷であり、同著の舞台だ。繁華街は「シャーロットタウン」だが、劇中に登場する「アボンリー村」のモデル「キャンベンディッシュ」を尋ねる観光客が多い。1997年に「冬季に海面が凍結する地域に掛けられた最長の橋」コンフェデレーションブリッジが出来るまで、この島へ行くには飛行機か船しかなかった。

そのため、この島には入植後に栄え、赤毛のアンの時代のような「100年前の暮らしが残る島」といわれていた。

名産品はじゃがいも。北米の「ケンタッキーフライドチキン」で提供されているポテトの8割がPEI産だといわれている。島ではポテトの品質を保つため、「同じ畑でポテトを作るのは3年に1度だけ」と州の法律で決まってるほど。豊かな赤土に包まれて美味しくなるのは、もちろんじゃがいもだけじゃない。

島の食材の美味しさ、そして安全性に持続可能な「サステナビリティー」に注目が集まり、PEIはいま「美食の島」としても注目を集めている。

だけど、せっかくなら1度でいいから「赤毛のアン」を読んでみて欲しい。アニメ「赤毛のアン」も素晴らしいのだけど、驚くほどスローペースな展開なので、時間に余裕があればぜひ見て欲しくはある。

島の移動ではレンタカーに挑戦して欲しい。「ハーツ」などのチェーン店レンタカーなら日本で予約でき、空港のカウンターもある。街と街を結ぶ道路はすべてハイウェイなので最初は戸惑うが、道も広くのんびした気持ちで走れる。

すべての季節が気持ちいい島だが、「赤毛のアン」を読んだのなら、憧れる姿があるだろう。

きれい? あら、きれいなんてのはあれにぴったりする言葉じゃないわ。美しい、でもいけないし、どっちも言いたりないわ。ああ、すばらしかったーーーすばらしかったわ。想像をつけたすことができないものなんて、これがはじめてよ。「赤毛のアン」著・モンゴメリ、訳・村岡花子

林檎の花が咲き「歓喜の白路」が現れるのは6月。

実はこのような道があるわけではないので、観光案内所でりんご園を教えてもらおう。

わたしは、次はルピナスの花が咲き乱れる7月に行ってみたい。

information

&TRAVELでの記事

赤毛のアンの「世界一美しい島」へ カナダのプリンス・エドワード島 | 朝日新聞デジタル&TRAVEL(アンド・トラベル)

なめらかな草の丘に、ちりばめられたように咲くタンポポの花がところどころ綿毛と化し、夏の気配にほわほわと浮かれているかのようだ。雨にぬれた農耕地は赤く、雲の合間から見えてきた青空とのコントラストに思わず車のアクセルを緩めた。これが6月のプリンス・エドワード島か。 …

「赤毛のアン」の島は美食の島 シェフ育成にも力 カナダのプリンス・エドワード島 | 朝日新聞デジタル&TRAVEL(アンド・トラベル)

<赤毛のアンの「世界一美しい島」へ カナダのプリンス・エドワード島から続く> 150年前に初の建国会議が行われ、カナダ発祥の島とも呼ばれるプリンス・エドワード島。1997年に長さ12.9キロのコンフェデレーションブリッジが出来るまで、カナダ本土とのつながりは空と海しかなく「100年前の暮らしが残る素朴な島」と呼ばれていた。 …