滞在中お世話になった部屋に別れを告げて、いよいよ帰路へ。
ホリデーシーズンのニューヨーク。
もちろん寒いはずなんだけど、なぜかこの日は本当にお天気が良くて、半袖で電車がくるのを待っていた。
空港のラウンジで飛行機を待ちながら、これまでの日程を振り返る。
ブログ、どうやって書こうかな。
日記形式だと1記事長くなっちゃうし、1同じに日にいいスポットが重なると埋もれてしまう。
でも、スポットごとだとポスト数がやたらと多くなっちゃうし。
うーん。
お、そろそろ登場時間だ。
飛行機の中で悩むか。
あとなー。イベントもどうしよう。
格安チケットを見つけて、友だちが宿を開くというからノリと流れで決めた4回目のニューヨーク行き。
貧乏性がこうじて旅するとブログを書かずにいられなかったおかげで、今までたくさんそのつながりでいろいろな場所へ行かせてもらうことが出来た。
でも、旅をした記録って平面的だ。
それに、わたしがどんなにブログを書いても、単一的な視点でしかない。
たくさんのブログを読んで多角面的に検証しなくても、その場所の雰囲気が分かる方法はないだろうか、そう考えて、一緒に行くサユリちゃんと行けなかったけどさえちゃんを巻き込んで、「RealTimeist.com(リアルタイミスト)」っていうサイトをつくり、ニューヨークからのリアルタイム投稿を3人一緒に表示してみた。
でも人によって投稿タイミングもボリュームも違うし、見ている人にとって「雰囲気が分かる」といったものになれたかというと微妙かなぁと、思った。
さて、日本に着いた。
この旅は終わり……かといえばそうじゃない!
協力してもらった人がいるから、パァッとパーティで打ち上げないとね!
https://koyanagiyu.com/archives/302
サンクチュアリ出版の1階を貸し切って、友だちを集めてパーティ!
ケータリングを用意して、お土産は大放出!
わたしはずっと喋ってて食べる暇がなかったのが誤算だった。
でも、友だちがこさえてくれたスペシャルカクテルは、ギリギリ味わえたよ!
二次会は小さなバーを貸し切って、〝シャンパンタワー〟作ってみたりして。
(安いシャンパンで作るシャンパンタワーなので飲み放題レベルの金額で実現できる)
東京で過ごした18年。
何にも変わらないようで、たくさんの協力してくれる人をみつけて、未だにいろいろ試行錯誤することに付き合ってもらえるのは、本当に有り難いことだ。
だとすれば、やっぱりニューヨーク紹介記事はスポットごとにするべきだなぁ。
どんなに記事数が多くなっても!
できれば、なるべく。
ホリデーシーズンのうちに書き終わるぞ!
↓このINDEXはグレーのタイトルをクリックでたためるよ。
1999.07.12 危うくセミヌード【終】
※この日記は21才の私が無謀渡米したときのアーカイブです。
おぱよう!おぱよう!いい朝です!!
キヨミさーん!オパヨウ!!
御機嫌に目覚めて珍しく朝。
昨夜からキヨミの家に泊まっていた。
今日は先日路上で声をかけられたニューヨークタイムズのカメラマンのところへ行き、作品の撮影だ。
眠気なんて一気に飛んでいってしまう。はしゃぎップリ。
しかし外見は落ち着いて落ち着いて。
クールにクールに。(笑)
シャワーを浴びた後「お腹が空いた」と早めに家を出る。
マックを見つけて朝マックしよう。
キヨミとLライン近辺を歩くもマックが見つけられず「探してる時はないよねー」とコーヒースタンドでサンドイッチを食べる。
お腹の支度も万端。
駅に向かうと目の前にマック。
ホント、探してる時に限ってないのがマック。
Lラインの1ストリート駅から乗り込みブルックリンのクイーンズすれすれってところモハメドストリートで降りる。
ほどなくすると怪しいカメラマンジェファリーが迎えに来る。
大きなワタシのカートを見て「何が入ってるの?」とジェファリー。
キヨミに絵が入ってると答えてもらうと「着替えはないの?」とジェファリー。
え?
なんで着替えが必要なの?
彼の返答ップリを疑問に思ってるあいだにスタジオにつく。
スタジオ兼彼の自宅。
これぞアメリカ!
これぞアメリカンサイズのオシャレな暮らしップリ!
とばかりに広い広い。
多分元は何かの倉庫かオフィスだったんだろう。
40帖位のフラット(ワンルーム)で天井が高く、手作りのロフトが寝室の御様子。
毛が長くて太った白いアメリカン猫付き。
「キミのために作ったんだ」というプチスタジオを見せられる。
木材で作った1mx1m位のフタのない小さな箱のよう。
奥から手前に向かってハの字になっている。
きっと写真にうつり込んだ時、奥行きがあるようにうつるためだろう。
小さなオフィス風に配置された机の上にはラップトップのMacがあって、ワタシのサイトが表示されてた。
日本語は文字化けしてて宇宙語状態。
そこから掲示板にローマ字で書き込みをしたりする。
ちょっと浮かれた感じで「今、ニューヨークタイムズのカメラマンの家にいるよ、詳細は後日」みたいなことを書き込んだ気がする。
彼の作品集を見せてもらう。
被写体は女の人が多く、なかにはおばぁちゃんとかもいた。
全体的にファンタスティックな印象。
全てMacでちょっといじってあるようだった。
ファンシーだけど、アメリカっぽいなぁと思う。
ジェファリーはカメラを眺めながら露出を見たりライトの位置を変えたり。
助手もそれを手伝ったり。
来た時から助手がいたので「一緒に住んでるの?」と訪ねると「冗談じゃないよ」とばかりに苦笑してた。
ほどなくして準備が終わったらしい。
こんなセッティングを組んで物写撮るなんて、スケール違うなぁ。
などと考えていたらワタシが呼ばれた。
「写真を撮るよ」って。
そうか、作者の写真も必要なのね。
微妙に写真を撮られるのは慣れているので(笑)、ハイテンションも手伝って超ノリ気で写真を撮られてみる。
「もう少し手をあげて」とか「足を開いて」とかという御要望にも答える。
するとジェファリーが「キヨミの服と交換して」と言う。
え?
あれ?
キヨミはキャミソールの重ね着をしていて、黒いサマーニットのキャミソールとふつうのキャミソール。
ジェファリーが黒い方を着てこいという。
ノーブラで。
あ?
写真になっちゃえば乳首なんかわかんないか。
っていうか、どうせ知ってる人はNYにいないし、まぁいいか。
と、思い、キヨミからキャミソールを借りる。
そして撮影再開。
いつまでワタシの写真をとってるんだろう。
と、考えているとキヨミがアシスタントにつれられて部屋を出て行った。
「どこに行ったのか」とジェファリーに尋ねると「屋上へ行った」と言う。
2人きりになってしまった。
そしてまたしばらく写真を撮られていると露出している肌に光沢をつけるためかベビーオイルをジェファリーが持ってきてワタシの腕に塗った。
そしてまた写真をとっていると更にオイルを塗ろうとジェファリーが寄ってくる。
ジェファリーの顔に浮かんだ薄ら笑い。
肩や腕ばかりでなくお腹にまで塗ってさらりと胸に触る。
そこは自分でやるから、と手を払い除けると「ズボンのジッパーを下げて欲しい」と言われる。
は?
挙げ句、大量のオイルをワタシの手の平に出し、「僕に塗って」と言い放った。
ここでワタシの何かがプチーン。
「お前うざいじゃー」と日本語で叫び、ジェファリーをドーン。
「アホかー!」
「おかしいだろ?!」
とコトバの壁を忘れて日本語を投げつける。
「キヨミはどこ行ったって?キヨミだよ!キヨミ!」と日本語で叫びまくる。
ジェファリーがおたおたしているので「屋上にいる」ことを思い出し、部屋を出ようとしたら「屋上は出て左の階段だよ」と英語でジェファリー。
一瞥くれると「待ってよ、怒らないでよ、話を聞いてよ」みたいなこと英語で言っている。
無視して屋上へ。
屋上へつくとなぜかキヨミも助手に写真を撮られていた。
キヨミへ近付き「あの人な、おかしいぞ。帰ろう。」と、オイル事件をキヨミに話す。
ワタシとキヨミと助手が部屋へ戻る。
「あなたはニューヨークタイムズの名刺を差し出して、ワタシの絵を見て写真を撮らせて欲しいって言ったでしょう。それなのにワタシの写真ばかり撮るのはおかしい」ということをキヨミに訳してもらう。
するとジェファリーは「キミの絵がキミに似ているのでキミの写真を撮りたくなった」と宣う。
「とにかくもう時間がないから帰る。」とキヨミに言ってもらうと「じゃあ、絵の写真を撮らせて」「キミのポートフォリオになるから」と言ってきた。
絵を出し、彼に渡し、写真を撮ってもらう。
この時にできてたアクリル画は2枚。
写真を撮りながらジェファリーが本を片手に片言の日本語で話し掛けてくる。
「オコッテルノ?」
「タノシンデル?」
「スワラナイノ?」
なんだそりゃ。と、思い、手にしている本を見ると日本語がローマ字で書いてあるナンパガイドのような本。
シュチュエーションはクラブとか、バーとか。
ベットシーンでの日本語まで書いてある始末。
「キモチイイ?」「ドウシテホシイノ?」「アイシテルヨ」とか。
キヨミとその本をみて大爆笑。
怒りも達するところまで達して「こんな本読んでるんじゃしょうがねぇなぁ!」とまたコトバの壁を越えてジェファリーにいう。「気持ちワル!」とか「やーだピョーン(ビブラートを効かせて独特のメロディーで)」とか叫ぶ。その一語一句をキヨミがジェファリーに訳してて笑えた。状況が良くわかっていない助手はワタシの「やーだピョ~ン」を真似る。ワタシと助手で「やだぴょん」合戦。
絵の写真を撮り終わって帰ろうとすると車で送ると言われ、送ってもらった。
車内でも飽きずにやだぴょん。
なんだ、ワタシはおかしくなっていた。
うちの近所で車を止めてもらって降りる。
懲りずにジェファリーはハグをしてこようとする。
元々ハグっていう習慣は好きじゃないし、っていうか、なんでお前懲りねぇんだよと避けると、手を取られて手の甲にキスをされた。この時何となく、「この人恐いなぁ」と思った。
部屋について脱力。
怒りと笑いが交互に込み上げてくる。言い表せない感情。
伝説としてはおいしいけど、思い出としては最悪。でもまぁ、今後面白い話題ができたことは現実。
留学中の日本人のみんな、気を付けてね。
2017年のクリスマスイブに書いてるあとがき
書きました!
2018年12月24日の現在、2年越しで書いていたニューヨーク日記を書き終わりました!
わたしのとってニューヨークを語るとき、やっぱり初めて来たときのことに触れずにはいられないのだけど、思いつきで転載しはじめた尻切れの1999年NY日記もきれいに転載できて良かったです。
当時、attのレンタルサーバーにあげていたホームページに載せていたんだけど、イラストレーター終了と同時に閉鎖。のちにJUGEMのブログに転載したんだけど、そこからまた引っ越してきたので転載してみました。
先に書いておくと1999年のNY日記は3ヶ月もいたのに17日しか書いてない。21才から22才にすらなっていない。NYにいる間毎日彼氏にお葉書を書いていて(メールとかないから)、帰国してからそれをもとに日記を書いていたんだけど、あの頃のわたしにはやりきり力が足らなかった。それもまたリアル。
— コヤナギユウ (@KoyanagiYu) 2017年12月11日
また、この「SIX DAYS NEW YORK HOLIDAYS!」を書き始めたときに開いたサイト「RealTimeist.com(リアルタイミスト)」も閉鎖してしまいました。つくってもらったさえちゃんには申し訳ないんだけど、たった2年でごめんなさい。
2年越しでたった6日間の旅日記を53記事も書ききることは、褒められることかどうかは謎だけれど、少なからずわたしはただいま晴れ晴れとしており、もしも見守っていてくれた人がいるならば、それが大きなホリデープレゼントになります。
何にも変わっていないようでも、この2年だけでもいろいろあった。
でも、なにもしなかったわけじゃなくて良かった、と思っています。
もしも、自分のことを信じるのが難しく感じることがあったら、あなたにとって原点の場所に行ってみるのはやっぱりいいかもしません。
わたしにとってはそれがニューヨークで、人と違っていても、どんなに足らなくても、そのままでいいって言ってもらえる様な気がします。
2018年のコヤナギは、1999年と違ってやりきる力があって良かったです!
2年越しになっちゃったけど!!!
どう締めていいのか分からないから、このへんで!
今日はイブだから、夕飯はビーフシチューにしようと思ってるんだけど、まだ作ってないから!
アイキャッチはこの世界のすべてを知っていそうな、ハトの写真にしてみました。
次にわたしに見えるニューヨークは、どんな景色で、いつ頃かな。


































































