【徳浜】オーナーの熱意半端ない。半端なさ過ぎて希少な絶品「さんご塩」【奄美大島・加計呂麻島 女もつらいわ 09】

【徳浜】オーナーの熱意半端ない。半端なさ過ぎて希少な絶品「さんご塩」【奄美大島・加計呂麻島 女もつらいわ 09】

風が吹けば西から東、風来坊のコヤナギユウとはあたくしのことでございます。
今日日はかげろうの島に候。「奄美大島・加計呂麻島 女もつらいわ」と題しまして、小説家の三谷晶子姐さんをたずねてまいりました。

おっとっと。なんだい海からこう、ツラーっとパイプが伸びやがってよ。
おい、こりゃなんなんだい!?行ってみようじゃねぇか。

(以上で寅さん口調終了)

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〈前回までのあらすじ〉
天然のテトラポットに守られた徳浜海岸から延びる一本のパイプ。
海は異様な有機性を保っていた。
海水との関係が怪しまれる。
我々はこのパイプの謎を解き明かすため、森へ足を進めるのだった。

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……で、やってきたのはこちらです!

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加計呂麻島天然塩工房「さんご塩」!

運良くオーナーの榊さんに会えました。

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少年のような瞳で熱く語る榊さん。

徳浜海岸からくみ上げられた海水は、この三段登り平釜に移し、15時間かけて煮詰めるそう。
(この日は日が入ってなかった)

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燃料にもこだわり、島の薪を使用しているそうだが、その日の天候や鍋の様子を見て使用する木材を変えているという。

「火が強すぎても味に角が立つ。ぐずぐずしてると雑味がでる。どんなときにどんな薪をくべるか。長年のカンだね」

炊きあがってもそれで終わりじゃない。
「さんご塩」のゆえんである、珊瑚の登場だ。

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炊きあげただけでは微妙に水分の残る塩。
多くの塩業者はにがりとも分離したり、仕上げの塩煎りをしたりしますが、海水がもつ本来のうまみを生かすために、榊さんは重力を使ってゆっくりと濾過する。
そのとき、榊さんが濾紙の代わりに使うのが珊瑚石だそうだ。

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「いろいろ試したんだけどね。一番まろやかな塩になるのが珊瑚だったんだよ。誰に聞いて、教わったわけでもない。石や紙、煎ってみたりいろいろやったよ。そしたら珊瑚がよかったんだよね。あ、でね、いま新しい挑戦をしててね」

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(嬉しそうになにやらタッパーを持ってきた榊さん)

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「いま塩麹作ってみたんだ」

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塩分濃度違いでいくつか作ってみているそうだ。
このほかに榊さんは塩に関するいろいろな開発に余念がない。
ただ、製品化するとは限らない。
榊さんは研究熱心でアンテナの高い男なのだ。
興味は次から次へと移っていく。

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「あ、いま港へ行こうと思ってたんだった! じゃ、また!」

そう言って榊さんは行ってしまった。
開発中の塩麹のタッパーを出しっぱなしで……。

三谷さん「あのう、これ……、どこにしまえば……」

工房前では「島キャン」という田舎インターンの取り組みに参加している大学生がお手伝いをしていた。

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(この滞在が単位になるらしいからリゾートバイトよりいいかもしれない)

「さんご塩」は現在通信販売を中止している。
工房では注文の電話やFAXが鳴りっぱなしだった。

それでも榊さんは新しい塩の表現を求めて、きっと今日も走っている。

「さんご塩」は、通販では買えないけれど、工房では買うことができる。
のどから手が出るほど欲しくても、実際に工房へ行かなければ手に入らない幻の塩。

加計呂麻島へ来たらぜひ徳浜まで足を伸ばして手にとって欲しい。
榊さんはたまに危なっかしいけれど、塩の味には必ず満足するだろう。

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(業者並みに買い付けて来た)

ちなみに「さんご塩」は「さんごえん」と読むらしい。
ずっと「さんごしお」と発音してて、いまも例のアレの節で「さ!ん!ご!の!しお!!」って言ってるけどね。

あるいは「み!た!に!の、しお!!」ってね。
実は三谷さんが加計呂麻島に移住したきっかけは、ここの塩工房のお手伝いなのだ。
加計呂麻島ステイその3。加計呂麻島さんご塩工房ではこんな風に塩を作っている。|三谷晶子の日々軽率。

※オフィシャルサイトがなくなってた。代理店で買えるのかな。。

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書籍にするとおよそ2ページ分です!
コヤナギの記事は写真もいっぱいあるから、本当に本だったら倍以上のページを読んでると思う。

「活字離れ」とかいわれるけどさ、けっこう読めてるよね。

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