腹心の友のあなたへ。
遅くなってしまってごめんなさい!
ああ、思い出せば思い出すほどまるで美しい夢の中の話だった気がするわ。
「旅先でスケッチを書く」
というのが長年の私の夢だったの。
スケッチブックは持っていてっても、毎日クタクタになってしまって
一日の終わりに絵だなんて、とても書く気になれないわ。
昼間だってタイトなスケジュールなのだから、
とっても筆なんて握っていられないわね。
でも、たとえばひと仕事追えた後のお茶の時間、
窓辺に野鳥が集まっていたら?
そこにペンが置いてあったら?
あたしに筆を持たないなんて選択が、出来ると思って?
前日、久々の体力仕事だったのと、
インターネットが通じなかったおかげで比較的に早く就寝、
目覚ましより早くに起きて、パッキングを先に終わらせようと
用意していると……あれ?
カメラの充電器、前のホテルに忘れたみたい。
電池が切れたらiPhoneだけで頑張ればいいか。
マギーさんがつくった、朝ご飯。
アスパラのオムレツと手作りジャムは左から、
イチゴ、ルバーブ、トマトソース。
どれも素材の味と風味を活かしたフレッシュソースでそれだけで1つの料理みたい。
ルバーブのジャムは優しい甘さの中にキュッと締まった酸味が広がる。
色が可愛い。
朝食が済んだら、ヤギのお乳を絞りを見学に、近くの農場へ。
こちらは昨日とは違って個人農家の様にちいさなところ。
フードクレイジーなヤギ子。
黒い子ヤギもいたんだけど、素早すぎて写真には写らず……
「ヤギは好き?」と訪ねられ「ハイ!かわいい」と答えると
「この黒ヤギあげるわよ」だって!
やった、PEIに私の子ヤギが居ます!!
ああ、まるでホントにアンみたい。
彼女は20年前にダンナさんと2人、
プリンス・エドワード島にやってきたオーストラリア人ですって。
家の外観もさることながら、中もとっても可愛いの!
両サイドの大木はトマト!
中央はキュウリ。
ヤギの乳はこうやって、
ゆっくり華氏60度になるまでじっくり殺菌するんだって。
で、昨夜殺菌を終えたものがこちらになりま~す。
ヤギのチーズは食べた事あるけれど、ミルクは初めて。
香ってみるとニオイはさほどなく、さて、お味の方は……
「Do you like gota milke?」
「……So so」
「I know :)」
加工されていない生乳とは信じがたいくらい、
かなりしっかりした塩味がついていて、まるでさらっさらのビシソワーズみたい。
脂肪分はほとんど感じられず、コクの延長線上に味があるって感じ。
しょっぱくて冷たい飲み物が苦手なので、あたしは苦手だったけど、
トマトジュースやビシソワーズが好きな人には、最高にフレッシュなスープかも。
娘さんと息子さんが2週間前に生まれたヒヨコを見せてくれた。
「ピヨピヨ!」
ファームに戻ってお仕事へ。
もう、仕事中は必死だから写真もないからね!
まずは畑の手入れ。
ハーブ畑にシートを敷いて、苗木を植える準備をする為、
穴をあける作業とか、そこにハーブの苗木を植えたり。
あとはハーブの苗木を育てるポットを作って種を植えたよ。
しかーし、今日のオドロキのお仕事はお野菜の収穫。
明日はこの間行ったファーマーズマーケット開催の日。
今日はそれの出荷準備とか。
まさか、私があのファーマーズマーケットの出店側で関わることができるとは!
ひまわりの苗をサラダ用に食べるサンフラワースプラウトをまずは収穫。
ハサミで根本を切って、種を除けながら収穫。
水で洗って種を除ける。
自らあげて小包装にしたら出荷。
ひまわりのスプラウトなんて初めて食べたけど、
これがなかなか美味しい!
双葉が肉厚でしっかり味があるのにクセがない。
つまみ菜みたいな辛さもない。
好物リストに追加決定です。
次に、何かのスプラウトの種を植えました……
なにかの。。。
んで、次はレタスの収穫。
葉レタスをナイフで収穫し、樽で洗うんだけど、これがとっても色彩豊かでキレイ!
思わず仕事中なのに写真撮っちゃった。
見て!
……と、ここでカメラのバッテリーオーバー。
iPhoneのカメラで頑張るしかないです。
ランチももちろん、マギーさんの手料理。
「あなたのために作ったスペシャルランチよ、アメリカから輸入したの」
と、出されたこのつぶつぶとしたクスクス状のものは、パスタじゃなくて穀物!
「キヌワ」という穀物で味はほとんどない。
粟とかヒエとか小鳥のエサ的なそういうものかと思ったら、
触感はもちもちとしていて弾力がある。
これを、チョリソーとインゲンでBBQ的に炒めてあり、
疲れたカラダに美味しすぎる。
初めてオカワリしちゃった。
食後にコーヒーをいただいて、のんびり。
さっきの「キヌワ」もそうだけど、
いろいろな参考書をみながらマギーさんとスタッフは新商品の開発に余念がない。
その中の試作品を1ついただいた。
ベジタブルクッキー。
いろいろな野菜をドライにして固めたもの。
添加物を入れておらず、味はハッキリ言って素材そのものの味なんだけど、
だからこど、噛めば噛むほどうっすらとした
透明感のある甘みが次第に口の中に広がってくる。
でもスゴく繊細な味だから、
メシと言えばチップ&フィッシュ!なカナダの人の味覚にも、ちゃんと届くのかな。
ファーマーズマーケットでのオーガニックベジタブルなら、
ぜひ当店を!
マギーさんとスタッフがあーでもない、こーでもないと
意見交換を続けている間、英語も分んないし、ぼーっとしちゃって、
ヒマだなぁとおもったので絵を描いてみた。スケッチとは言え簡単だけど。
「じゃ、そろそろトラクター乗ってみる?」
「……!(忘れてた) …………YES」
自動車の運転免許は持っているけれど、最後に運転したのは20歳の頃。
ゆうに一回り昔のことでございます。。
えっ、ええええっ!
これ、マニュアルっすか!!
あたしやったよーーーーーーー!!
結局この畑、全部耕したよ!!!
真剣すぎて「ブラックフライ」い刺されまくったの気がつかず。
顔もクビもボッコボコ。
いま、めちゃくちゃ痒いです。。
あとは畑のウネの間にコンポストを撒いたりもしたよ。
打ち解けてきた所で別れは訪れるもので、ファーム出発。
一眼が電池切れで使えないけど、今度こそピンぼけなしでマギーさんと写真を。
ドリーもね。
一昨日まで泊まっていた海辺のリゾートホテルに
バッテリーを発見。
ピックアップまでの道すがら、モンゴメリさんが働いていた郵便局を見学に。
赤毛のアン100周年の年に、
モンゴメリさんの子孫からオドロキの公式発表があったことをご存意だろうか。
「赤毛のアン」の原作者、モンゴメリさんと言えば、
少女小説で成功し、
いつも流行のファッションを身につけ、
神父様と結婚して子供を設け、
海外へハネムーンに出かけ、
晩年も決して衰える事なく最新ファッションを取り入れ続けた、
とても幸福で幸運な女性なのかと思っていた。
67才でその生涯を終えた「幸福な女性」の死因は自殺だったと発表したそうです。
「昔はよかった」「自分だけが苦心でいる」と思い込む事なく、
心の病は誰にでもあるもので、思い詰めたりしないで欲しい、
という親族からの思いだったそうです。
下積み時代だったモンゴメリに思いを馳せました。
古いアンティークポスト。
今も郵便局が併設されていてお手紙が投函されます。
出したよ! 面白い切手で。
3通しか出さなかったけど、届いてからお楽しみ。
ドライブの途中「U PICK」と書いてあるファームで、
露地栽培のイチゴをイチゴ狩り。
島の人はみんなイチゴが大好きなんですって。
カメラのバッテリーを無事ピックアップし、
今夜のホテルへ!
……と、その前に寄り道。
こちら!!!
ロイヤルカップルがドラゴンボートとお食事を楽しんだ
クラシックホテルでございます。
あらっ!
お忍びでウィリアム&ケイトがまだいらっしゃったみたいなので、
談笑しつつパチリ。
腹心の友です。
とっても宿泊する事は無理だけど、
写真だけ撮らせていただきました。
丸太が入っちゃう暖炉。
当時はまだガラスを手作業で伸ばしていた時代。
こんなアーチ状の窓ガラスが3枚もついている事は
奇跡に近い大枚がはたかれたという事、らしい。
ホテルの外壁はもちろん、内装の一部は島の「サンドストーン」を利用しており、
ほら、赤い。
んまー!
私がこんな所に泊まれる様になるのは、
モンゴメリの10分の1でも本が売れる様になってからです。
ハイ。。。
で、いよいよPEI滞在、最後の宿へ到着。
まず到着してビックリ。
この間夜のシャーロットタウンをぶらぶらしている時に、
絵になるなぁと撮影したとこ(背後)じゃないですか!!!
そして、
ロイヤルカップルを撮影した所です。
エントランスでもビックリ。
なかなかどうして、
さっきの桁外れにリッチなホテルと張るんじゃない?
そしていよいよ、お部屋です。
ぬーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
なーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!
へへへへへ、
部屋の中にバスタブがある!
もちろん猫足じゃーい!
そしてこのロマンティックな一角。
外からの長め……
しかもこのお部屋の名前「ハネムーンスイート」ですって orz……
なぜだか分らないけれど、全身の力が抜けそうよ!
お名残惜しすしで実感ないんだけど、
明日はPEI滞在最終日。
明日の今頃はトロントなのだ。
そう、今夜はPEI最後の晩餐。
プリンス・エドワード島で名物で、まだ食べてないのは……アレでしょ!
ってことで訪れたのはこちら。
なんだ、島なのにこんなに都会っぽい所あるの!?
んで、オーダーしました!
ズン!
ズズン!!
まだ食べていない、PEIの名物と言えばムール貝!
なんでも小振りなものがお好みらしく、
この島での「良い食べ物」の条件は
小ぶりでギュッと旨味が濃縮されてさっぱりとした後口である、というかんじ。
このお店のクラムチャウダーはコンテスト優勝経験が有り、
このクラムチャウダーがまさに「ギュッと旨味が濃縮されてさっぱりとした後口」。
激ウマ。
アイランドビーーーーーーーーーーーーフ!
しずってますかーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!
あと、なかなか辿り着かなかったデザートも。
プリンス・エドワード島の伝統的なデザート「ベイクドプリン」
ちぎったパンとナッツをパウンドケーキ型にまとめて、
ブランデーなどを染み込ませて熟成させた後、
メープルシロップをふんだんにかけ、出来上がり。
ホッとするお味。
初めてなのに「懐かしい味」と感じる。
あれ?これって恋に落ちたときみたいじゃない?
生まれる前から、あなたを捜していた、的な?
お腹を満たし、ほくほくでホテルに帰ると
パッキングなどの「やらなくちゃいけないこと」から現実を目の当たりにする。
トロントは大都会なんでしょ?
すっかり島時間の私が、都会のリズムに耐えられるのかしら。
島のリズムが身にしみてきた時に、また水を変えるなんて、
やっぱり少しぐらい不安でも仕方がないわよね。
ああ、私の残りの旅が、
どうか楽しく過ごせます様に、あなたも祈ってちょうだい。
プリンス・エドワード島のキャベンディッシュから
愛を込めて。
グレーとジョージアホテルのコヤナギユウより
Love letter from カナダ 5通目:ロイヤルカップルとマックロブスターと牛の搾乳 https://koyanagiyu.com/?eid=3550#jugem_blog
posted at 15:58:01
2日分これから書きます!RT @CanadaExplore こんにちは!「リアルタイム – リアルカナダ」の旅もいよいよ中盤に差し掛かってまいりました。今日はコヤナギさんのプリンスエドワード島/PEIの旅の最終日。旅行記もぜひチェック! http://realcanada.jp/
posted at 11:45:59
季節and数量限定ですって!急いで!w RT @Vinokawtan ここのご当地マック食べたい!RT @KoyanagiYuhttp://tl.gd/bhre6s#realcanada
posted at 11:40:37
ごめん。搾乳して、トラクターで畑耕して、アルファルファ出荷してた。RT @elle_miwa@KoyanagiYu 元気かー?
posted at 11:39:10
議事堂に映像を映して歴史の紹介してる!#realcanadahttp://bit.ly/realcanadahttp://twitpic.com/5ltjmr
posted at 10:05:00
日本人で良かったと思う時:外国でモテる。#realcanadahttp://bit.ly/realcanada
posted at 09:49:30
最後の晩餐はアイランドビーフ!#realcanadahttp://bit.ly/realcanadahttp://twitpic.com/5lsdgt
posted at 08:25:24
@CanadaExplore 頂いた情報を元にこれから食べます!あざっす!
posted at 07:50:47
カナダはプリンス・エドワード、ただいま夜の7時30分です、暗くないけど。ディナーはクラナーオイスターハウス!#realcanadahttp://twitpic.com/5lrv3g
posted at 07:41:02
PEI最後の夜の、窓からの風景。最後に何を食べようかな。#realcanadahttp://bit.ly/realcanadahttp://twitpic.com/5lritc
posted at 07:10:38
昨日までネットも通じない農家ぐらしだっとのに、今日は最高のハネムーンスイート!…ハネムーン…… #realcanadahttp://bit.ly/realcanadahttp://twitpic.com/5lrh5b
posted at 07:06:35
昨日はインターネットがなかったよ!いろんなことがあった!ひとまず今、キャベンディッシュに戻ってきた。今夜はPEIラストナイト☹ #realcanadahttp://twitpic.com/5lq57r
posted at 05:08:13
事件はオンラインで起きてるんじゃない!オフラインで起きてるんだ!! #realcanadahttp://bit.ly/realcanadahttp://twitpic.com/5lq3mb
posted at 05:04:28
Love letter from カナダ index
0通目:コヤナギ、6/30から毎日書きます。あなたのいない、一人旅でっす~♪
0.5通目:準備編『足りないくらいでちょうど良い。旅は「不便」を愉しむもの』
1通目:計16時間の空の旅。カナダはプリンス・エドワード島に着きました
2通目:ハッピー・カナダデイ! PEI時間がカラダに浸透してきたみたい
3通目:グリーンゲイブルズで赤毛のアンになってきたよ。
4通目:モンゴメリの生家と、彼女が愛した家族を訪ねて。
5通目:ロイヤルカップルとマックロブスターと牛の搾乳
6通目:プリンス・エドワード島最後の夜。トラクターを運転してハネムーンスイートに泊まったよ
7通目:私の長靴は、もうすっかりプリンス・エドワード島の赤土で真っ赤なのよ!
8通目:大切な一日だもの! トロントを代表する“あのコ”に会いに行ったわ
9通目:さよなら、カナダ。お土産プレゼントをまとめたよ。トロント土産を追加しちゃった。
10通目:プリンス・エドワード島とトロントを訪れて。カナダは「幸せな世界」の未来。