チェコ親善アンバサダー2018に任命されたコヤナギユウだよ〜!今年はチェコスロバキア独立100周年で、お得で楽しい催し物が盛りだくさんあるんだって。え? 「チェコ」っていわれてもピンとこない? 大丈夫。チェコのことなんて知らなくても問題ない! だってきっとこれから、好きになっちゃうから。ってことでチェコのいいところを伝えちゃいます!
ヨーロッパの心臓! しかも安全でお得
まずはチェコの場所から。
西にドイツ、北にポーランド、南にオーストリアとハンガリーがある。「ハートオブヨーロッパ」と呼ばれ、ヨーロッパの中心にあるのだ。
国土の広さは北海道より少し小さいくらい。鉄道も充実しており、この中に12カ所の世界遺産、5つの無形文化遺産、40カ所以上の文化保護区に2000カ所以上のお城を有するという、観光的に効率のいい国なのだ。とはいえ、やっぱり「チェコ」といわれてその街並みが思い浮かぶ人はすでにチェコが好きだよね。
では「ヨーロッパ」といわれたら、どんな風景を思い浮かべるだろう。
石畳が続く道?
荘厳な教会の前の広場に本格的な彫刻?
石造りの古い建物が並び、足早に歩くマダムたち?
左右に分かれたオペラ劇場の大階段に響く、クラシックやバレエの歓声?
少し不機嫌な冬の空に、吸い込まれそうな夏の青い空?
イルミネーションとホットワインに包まれたクリスマスマーケットや、ビールを片手に巡る夏の蚤の市……?
それ、ぜんぶチェコにありますから!!!
中世にチェコの王様カレル4世がローマ法王としてヨーロッパ一帯を統治したいたほど、歴史的も文化的にもヨーロッパの心臓といえるのだ。
だから、日本人が思い浮かべる「ヨーロッパ」っぽさって、かなりチェコに集まっている。しかも歴史の面影を残したまま、ね。
「ヨーロッパ旅行」のネックといえば、治安の悪さや物価の高さだろう。
そこへいくとチェコは犯罪発生率が日本より低くて、物価もお安め。
ヨーロッパへ旅行するならもう、「ついで行き」しない理由はないでしょ。
そりゃもちろん、チェコ親善アンバサダーなコヤナギ的には最低一週間はチェコに浸って欲しいけどね。
で、チェコといえばプラハだけど、せっかく海外旅行……特にヨーロッパへ来たからには、アジア人が少ないところへ行って異国を感じたい、という人にお勧めなのが魅力的な周辺都市!
コヤナギが旅したところ、プラハ以外では日本人はもちろん、アジア人の姿もほとんど見なかったよ。
というわけで、プラハだけじゃないチェコの都市の魅力を紹介。
今回は「チェコ親善アンバサダー」でみんながオススメ&魅力に感じた6都市をピックアップしたよ。
[1]ビール好きの聖地:プルゼニュ
プラハから電車で1時間!
細々とした見どころはたくさんあるけれど、なんといっても黄金色のビール「ピルスナー・ウルケル」が誕生した町プルゼニュ(ドイツ語読みではプルゼニ)。
肥沃な大地では香り高いホップがたくさん収穫され、ヨーロッパでは珍しい軟水が沸きだしていたという奇跡がここにはある。中世の頃、街を挙げてのビール開発に取り組み、その甲斐あって「ピルスナービール」が生まれたのだ。ピルスナービールは、日本でももっともよく飲まれているビールだよ。
ピルスナー・ウルケルの醸造所では、半年間下面発酵から目覚めたばかりの無濾過&樽生のビールがいただけちゃうのだ。
実はコヤナギ、ここでビール嫌いを克服し、いまではビールが大好きになったんだ。
ここでぜひ覚えて欲しいのは、「ナーズトラヴィ」というチェコ語。
「乾杯」という意味だ。
きっとチェコではいちばん口にする言葉になるだろう。
[2]クセのあるチーズ好きならチェックしたい:オロモウツ
チェコ(モラビア)の政治力を示した世界遺産「三位一体の柱」や、美しいクリスマスマーケットが魅力の街オロモウツ。
大学が多くある学園都市で、日本語のクラスまであって運が良ければ学生の日本語ガイドボランティアに会えるかも。といっても彼ら曰く「オロモウツで日本人を見たことはない」とのこと。
活気のあるこの街で味わって欲しいのがオロモウツチーズ。
こちら“車内持ち込み禁止”の看板があるくらい「臭い」と評判なのだけれど、ブルーチーズ系のクセのあるチーズ好きならぜひ味わって欲しい。チーズはチェコ人にとってとても親しみのある食材だけれど、オロモウツチーズは日持ちがしないため、国外ではなかなか味わえないまぼろしのチーズなのだ。
かわいいカフェでアレンジされたカナッペ型のオロモウツチーズ。
だいぶ警戒しながら臭いを嗅いだけれど……え? 納豆に比べたら全然オッケーじゃない?
オッケーかどうかは自分の舌で味わってみて!
[3]コンパクトなおとぎの国:リトミシュル
荘厳な〜厳粛とした〜格式高い〜……そいういうヨーロッパっぽさもいいけれど、カラフルな家々が並ぶフォトジェニックな町といえばリトミシュルだろう。
音楽家スメタナが生まれた町で、スモーキーベビーカラーの家々が連なるアーケードが続くスメタナ広場は、路地に入るとアーティストが描いたオシャレな壁や、かわいらしい路地にシャッターを切らずにはいられない。
スグラッフィート(搔き絵)で包まれた世界遺産のリトミシュル城を眺めながら泊まれるホステルもあり、寝ても覚めても夢を見ていられる。
[4]入るだけが温泉じゃない! 草津と姉妹都市:カルロヴィ・ヴァリ
ボヘミア(チェコ)王でありローマ法王だったカレル4世が偶然発見したことを起源とする、世界的に有名な温泉街! その来客数はプラハに次いでチェコ第2位の街カルロヴィ・ヴァリ。
日本の草津とも姉妹都市で、ゲーテやショパン、ベートーベンも癒やされに来た湯治場。湯治といえば日本人にもなじみ深いけど、こちらの湯治は入るより飲む!
「スパカップ」と呼ばれるストロー付きのマグカップにを片手に、5つの美しい飲泉所「コロナーダ」で飲用温泉を汲もう。源泉(番号が振られている)によって効能が違うといわれており、もっと本格的に楽しみたい人は「スパドクター」に相談してもいい。
街中には12カ所の源泉があり、すべて温度も味も違う。一般的に温度が高いほど飲みやすく、低いと効能が高いとか。ミネラル分が多く含まれており、利尿・調整作用があるといわれているよ。
ちなみに、街中には「13番目の源泉」と呼ばれている薬用酒「ベヘロフカ」があって、こちらもぜひ味わって欲しい。チェコの養命酒のようだ。
[5]プラハが“東京”なら、“大阪”はこちら:ブルノ
温泉や観光地もいいけれど、都市部もやっぱり魅力的だ。
チェコ第二の都会ブルノは、ヨーロッパで2番目に埋蔵量の多い納骨堂ミュージアムや、世界遺産の現代建築「トゥーゲンハット邸」があり、夜もバーやホスポダ(ビール居酒屋)も充実している。
ブルノで特に注目したいのは街の人の気質!
チェコの公用語はチェコ語だけれど、少しでも英語が話せるなら、酔いに任せて地元の人と話してみて欲しい。そのときに「プラハ」の話題を出してみよう。
もしもその人が純粋なブルノっ子なら、ものすごい対抗心を燃やしてブルノの良さとプラハとの違いを、ジョークいっぱいで展開してくれるだろう。
その姿、まるで関西人のごとし。
たとえば、プラハでは「トラム」と呼ぶ路面電車のことをブルノではドイツ式に「シャリーヌ」という。
うっかり「トラムの写真撮ってくる」なんて言おうものなら「え? ブルノにはシャリーヌしかないけど?」とつっこまれるだろう。
[6]コヤナギ一押し:ミクロフ
「チェコ親善アンバサダー2018」へ応募するときに、みんな1都市投票する仕組みだった。コヤナギが悩んで悩んで投票した街がこちらミクロフ。
ミクロフはオーストリアとの国境近くにある「南モラビア地方」で、電車で2時間ほど揺られればウィーンに着く近さだ。
ワイン造りが盛んで、特に白ワインがさっぱりとしており価格もそれほど高くなく美味しい。
こぢんまりとした素朴な街から見える、聖なる丘は「ささやかな幸せ」の象徴のよう。
だけど、コヤナギがミクロフを特にオススメしたい理由は、「それだけじゃない」ところ。
ミクロフの街から車で15分ほどいったところに世界遺産のお城がある。それも、ふたつ。
「レドニツェとヴァルチツェの文化的景観」として、2つのお城を合わせて世界遺産として登録されているのだ。
話は少し変わるけど、みんなは自分の中にある「ヨーロッパ」「外国」への憧れってなにがきっかけだと思う?
コヤナギは完全に宮崎駿映画。
ラピュタや魔女の宅急便で描かれた石畳や赤い屋根にきゅんきゅんして、わたしにとってはディズニーランドよりずっと夢の国だった。
特に「カリオストロの城」なんて、言葉数の少ない善き庭師のおじさんが手入れしている美しい庭園や、広大な城内で不二子が近道をすり抜ける廊下、細かな装飾が施されたカリオストロ城にうっとりしたものだ。
「カリオストロの城」のモデルはいくつかあるけれど、リヒテンシュタイン公国もそのひとつ。
リヒテンシュタイン家はドイツ系の貴族で、中世には広くヨーロッパを統治。14世紀にはハプスブルク家に仕えていて、ワイン用のブドウもよく育つ豊かな南モラビアの一部を与えられたのだ。そこに、いつも暮らす居城「ヴァルチツェ城」と、夏の離宮「レドニツェ城」を構えたというわけ。
チェコのみならず、ヨーロッパにはたくさんの城があるけれど、ここのかわいらしさは思わず「カリオストロの城」を連想せずにはいられなかった。
繊細な装飾が美しい木造の夏の城:レドニツェ城
チェコTOP100のワインが試飲できる:ヴァルチツェ城
100周年イベントのメインはブルノ!
冒頭にも書いたとおり、2018年はチェコスロバキア建国100周年の「チェコの百年祭」。
第一次世界大戦後の1918年10月28日に立国し、1992年のビロード離婚まで「チェコスロバキア共和国」はあった。この100年間に共産主義、プラハの春、ビロード革命を経てチェコ共和国が成立。装飾的な1918年のアール・ヌーボー様式から実用的な機能主義スタイルへ遷移し、建築やデザイン、ライフスタイルに大きな変化と多様性が訪れたそうだ。
そんなチェコの百年祭イベントの中でもっとも注目したいのが、ブルノで行われる「グランドオープニング RE:PUBLIC 1918 – 2018. Brno. People. Century.」。
中央ヨーロッパ9カ国から国立バレエ公演が催され、日本でも展示のあったムハ(アルフォント・ミュシャ)の「スラブ叙事詩の展示も。
開催日は2018年5月26日から6月30日まで。
わ〜、初夏を思わせる日差しが気持ちいい、ビールの美味しい季節だよ〜!
また、日本でもチェコ観光局は関空旅博2018やTourism EXPO Japanなどに参加、チェコフェスティバル(去年の様子)も開催予定とのこと。
迷っているくらいなら行っちゃえ!
チェコ観光局の公式情報はFacebookページが分かりやすいよ。軽い気持ちで「いいね」しておこう。
チェコ親善アンバサダー2018として公約2つ発表します!
少しはチェコの魅力、伝わっただろうか。
別に誰にも頼まれていない上に、特に誰にも期待されていないにもかかわらず、「チェコ親善アンバサダー2018」に任命されたことを重くとらえました、わたくしコヤナギユウから、「大使」としての「公約」を掲げさせていただきたいと思います!
その公約は……
電子書籍でチェコ本つくる!
しかも、2冊!!!
まだまだ情報の少ないチェコ。
「地球の歩き方」はチェコ・ポーランド・スロヴァキア3カ国合わせて1冊だし、中身はプラハのことは分かっても、他の街にいたっては名前すら載っていないことも。
ネットで検索すれば少しは分かるけど、知らなければ調べることさえできないし。
飛行機の中や、オフラインでチェコムードが高まるものもあっていいのでは、ってことで電子書籍をつくってみようと思います。
1冊は、すでに公開している「冬チェコ」のブログ記事をまとめたもの。
そしてもう一冊は、新たに地域ごとに区切ったコヤナギ的チェコガイドブックをつくってみたい。
「冬チェコ」ブログを、地域/施設ごとに分けて投稿しなかったのは「発見」して欲しかったから。ネットではすでに知っている情報を検索するのにとても向いているけれど、まだ知らないことは調べようがない。ネットの特性を考えたら、施設名で投稿した方がいいんだけどね、でも必要なところ以外読まないなんてもったいないと思って、悩んだ結果ずらっと旅程ごとに書き上げた。
まだ紹介記事を書いたことのないクロムネジーシュは映画「アマデウス」ロケ地
だけど、旅程ごとの投稿は調べ物をしようと思ったときに見つけにくい。偶発的な発見がしやすくて、目的のある検索がしやすいのって、やっぱりパッケージ化されている「本」だなぁと思って。それに、電子書籍なら地図などへの外部リンクもできるみたいだから、挑戦してみたいと思ったの。できるかな〜。
まずはすでに原稿が揃っている「冬チェコ記」をまとめてみるね。
オンラインでいいから無料で読みたいって人は、変わらずこちらで読めるよ。
「親善大使」って言葉を調べてみた。
主に国際的な親善や交流の観点から、国際機関・国・地方自治体などの広報活動を行う人。またその役割。著名人に委嘱することが多い。スーパー大辞林3.0
「チェコ親善アンバサダー2018」といっても、2度しかチェコへ行ったことのないニワカもニワカ。
全然著名じゃないわたしが、せめて少しでも広報活動に役立てますよーに。
[PR]ポリシー
「チェコ親善大使アンバサダー2018」は2017年12月5日〜18日まで行われた「「#チェコへ行こう」キャンペーン~あなただったらどの都市を選ぶ?~」応募者の中から選定され、当選しました。認定者には3ヶ月に一度、チェコ共和国に関するイベントやメディアとリップの案内が届く予定です。記事の監修・編集は受けておらず、金銭は発生しておりません。感想はコヤナギ自身の主観によるものです。
BOOKカウンター
最後まで読んでくれてジュクイー!(チェコ語で「ありがとう」)
この記事は6500文字ありました。
書籍にするとおよそ9ページ分です!
コヤナギの記事は写真もいっぱいあるから、本当に本だったら倍以上のページを読んでると思う。
「活字離れ」とかいわれるけどさ、けっこう読めてるよね。
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