ハロにちは!
本業ライターと思われがちなデザイナーのコヤナギユウだよ。
(何をもって本業と呼ぶのかというと、就業時間と売上比率だよね)
もともと、DTPから入って、趣味で始めたWEBデザインの需要が高まり、いったんはウェブデザイナーになったものの、今度は印刷知識を持ったグラフィックデザイナーが稀少になってきたので、最近は印刷の仕事が増えてきたよ。
前回、プロのデザイナーということで、BenQさんのプロデザイナー用ディスプレイ「27型 WQHDデザイナーディスプレイ PD2700Q」を試させてもらったんだけど(前回の記事)、こちらの上位機種にあたる「27インチ4K HDR対応デザイナーモニター PD2700U」も試させてもらうことになったからレポートするね!
前回PD2700QとPD2700Uは何が違うの?
品番て萌えるよね! 意味ありげなアルファベットと必要最小限の数字。
前回のPD2700Qと今回のPD2700U。
品番だけ見比べると最後の一文字しか違わないけれど、ここがホントに大違い。
BenQ PD2700Uの「U」はフルHDの4倍の解像度4K Ultra HDの「U」なのだ。
これって、人間の目で認識できる最高レベルの解像度なんだって。
頂点じゃん!
U一文字にものすごく重いもの載せてきた。
ミニマリズムに通じる機能美がある。美しさはいつだって引き算なのだ。
そんなわけでBenQ PD2700Uは外装も美しい。
シンプル!
入力ソースは3種類。定番のHDMIとDPに加えMini DPまで!
今回は4K出力検証用にMac miniを借りてきたので、HDMIで接続したよ。
Webデザインをしてる人の中はWindowsを使っている人も多いだろう。スペースの都合でディスプレイがひとつしか置けないけれど、MacもWindowsも同じくらい使っているとか。もしかして、その時々でディスプレイを繋ぎ直してる? そんな煩わしさ、“Ultra”プロにはナッシング!
しかも画面のフチが薄いから……
ショッピングモールの大型ビジョンみたいなマルチストリーム転送もできちゃう〜!
(これ、小売店にあっても凄くいいと思った)
そんなわけで、よりいっそう実務に取りかかるためのセッティングの煩わしさが軽減され、設置してケーブルを挿す! で、作業に取りかかれたよ。
今回は最近飼った猫の写真を現像しながら、気になるところを検証していこうと思います!
左がiMac (27-inch, Late 2013) Mojaveとうちに来たばかりの眼光鋭いかわいい猫、右がUltraプロな「BenQ デザイナーモニターPD2700U」+Mac mini MGEN2J/A(Core i5)Yosemiteとうちに来て1ヶ月経った穏やかなUltraかわいい猫。
出荷時に1台1台キャリブレーション(色合わせ)済み
設置してみてまず、かっこいいなと思ったところ。
フチの細さ!
インカメラがあるためとはいえ、iMacのもっさりした黒フチよ。
いっそのことインカメラはない方が、オンラインMTGの時ふいに画面に顔が大写しされる可能性もないし、いらないんではないかと思っていたところ。
設置したままだと画面の明るさが気になった。
Apple製品ならキーボードのファンクションキーでできるけど、ここはモニターのボタンから。とはいえ、操作しやすいところにあるので不便はないよ。
メニューボタンをいじっているといろいろ出てくるけれど、BenQ PD2700UがUltraプロ向けなのがこちら!
分かります?
CAD/CAM、デザイン、ブルーライト軽減、暗視などいろいろな画像モードがあるんですけど、それは前回にもありまして……こちら!
工場出荷時に1台1台色あわせ=キャリブレーション済みでやってくる、ということ!
電気屋さんへ行くとよく分かるけど、テレビだって同じ番組を映しているのに結構色が違うじゃない? あれはモードが違うだけじゃなくて、まぁ個性というか、そういうものなの。
でもカメラマンやデザイナーはチーム間でデータを渡すとき、モニターの色が違っていたら何を信じていいか分からないよね? だから専用機材(およそ2〜6万円)をつかって揃えたり、おおよそのズレはグラフィックソフトの数値を見ながら勘所を合わせて(コヤナギはけっこう正確なCMYK値なら持ってる。絶対音感の4色分解版的な)試し刷り印刷(いわゆる色校)で調整したりするんだけど……Ultraプロ向けなBenQ PD2700Uなら、そんなお手間をかけさせませぬ。
前回おどろいたすごい機能、1つのモニターで2つの画像表示ができる「デュアルビュー」は、もちろん今回も実装されている。
(左上から)sRGB×CAD/CAM、sRGB×デザイン、sRGB×ブルーサイト軽減、sRGB×暗室
ウルトラハイビジョンを見てみよう
で、いよいよ4Kだ。
ディスプレイサイズは27型だけど、その中身のつかいかたは自由自在。
Macのシステム環境設定からディスプレイを表示すると、デフォルトが3840×2160pxで表示されているので、「変更」のラジオボタンをクリックしてみよう。
選択肢が一覧で見られる。
表示可能の4サイズをずらっと並べるので「広さの違い」を感じてもらおう。
BenQ PD2700U 1280×720サイズ表示
迫力の大きさだけどちょっと狭い。
BenQ PD2700U 1920×1080サイズ表示
これがいわゆる「HDサイズ」です。
これはいまでも「高解像度」ともてはやされている。実際きれいだけど、4Kで表示されると密度が違う。詳細は追って。
BenQ PD2700U 3200×1800サイズ表示
広い、けれど等倍が合っていないのかにじみが見えるのでおすすめしない
BenQ PD2700U 3840×2160サイズ表示
……広大!
マウスポインター見失うやつ!
でも一度この広さになれちゃうと、HDサイズでもちょっと「狭い」ってなるんだよね。
広さはもちろん、本当に表示がきれいなんだけど。
……それもそのはず!
すごいぞ、画面がチラつかないフリッカーフリーと4Kの相性すごい!
ちょっとこれ見てください。
Appleのシネマディスプレイをスクショじゃなくて写真で撮ってみました。
ものすごい虹色のモワレのうねうねが出てます。
そういうものです。
「そういうもの」……そう思っていたんですよ。
次にこれを見てください。
BenQ PD2700U! 見やすい!
モニターの線がぎっちり詰まった高解像度なのよく分かる!
スクリーンショットはただのデータなので、同じです。
(左・シネマディスプレイ、右・BenQ PD2700U)
※Lightroomのバージョンが違うのでUIがちょっと違います
でも肉眼で見ると大違い。
シネマディスプレイでみると……
もわんもわ〜んでこんなもんかなって感じじゃが、
これが、
BenQ PD2700Uだとこうじゃ!
キラーン!
猫ちゃんの「まぶしくてこぼれ落ちた涙のしずく」にピントが合ってないこともバレバレじゃ〜!
上の画像だってスクショじゃないからね。
ディスプレイを撮った写真だからね。
くどいようだけど、データは同じ。
納品するデータも同じ。
だけど、見方が全然違うから、たとえばシネマディスプレイで猫の涙を目立たせようとしたら、トーンカーブかけてもっと派手に陰影を付けていたかもしれない。
そうしたら、猫のほわほわ感が失われた野暮ったいグラフィックになっていたかもしれない。
この写真(グラフィック)で訴えたいのは、ほわほわで気持ちよさそうな優しい写真にぴりりと効かせた薬味的な涙のはず。
そういう小さいニュアンスを、間違って料理してしまわないように、デザイナーや写真家など、グラフィックを扱う人にとってモニターはきちんと選びたい。
BenQ PD2700Uならここまで顔を近づけてのぞき込んでも、にじまずに見えちゃう。
これって本当にすごい。
試しに拡大すると画像の荒れがよく分かるベクターデータでも表示テストしてみると……
長時間眺めるならばウルトラいいものを選ぶべき
よく、ベッドは睡眠という人生の1/3を過ごすのだから、良いものを買っておけっていう。デザイナーにとってのディスプレイはまさにそれと同じ。
1日5〜15時間は見つめていて、正直ベッドより仲がいい。
世の中には1万2万程度の安いモニターもたくさんあるけれど、長時間見つめると分かっているならば、高精細で煩わしさのない製品がいいと思う。
BenQ PD2700UはいまだとAmazonで6万円しないくらい。
いま使っているモニターに不満があるなら、乗り換えてみる価値はありそうだ。
ただし!
自分のパソコンが4Kに対応してるか要チェック。
実はコヤナギの自宅マシンは4K対応してなくて、レンタル屋さんで検証機借りてきて、このレポート書いたんだよね。(出勤先は4K。自宅のMacがいつの間にか年をとっていた)
ほら、デザイナーってグラフィックには細かいけれど、それ以外には無頓着じゃない?
だからBenQ PD2700Uはセッティングが楽で、ホント良かったよ。
BenQ 27型 4K HDR対応デザイナーディスプレイ PD2700U
BenQアンバサダープログラム
ちなみに、このめっちゃかわいい猫の名前はくるみちゃんといいます。
実際に買って気がついたよ!
2020年2月21日の追記だよ。
このレビューはモニターをお借りして書いたんだけど、2019年年末、わたしのiMacが壊れてしまいました。それに伴い、ディスプレイ一体型のiMacとそれに接続していた古いApple純正モニターが使えなくなってしまって、本体をMacminiに移行、このディスプレイを買ったよ。
デスクトップ型はずっと使ってきたけれど、MacMiniは初めて。しかも純正でも推奨でもないやつ! 買ってみて気がついたことをちょっと追記します。
カメラとマイク、スピーカーはない
サブとして使う分には考慮しなかったけど、メインモニターで使うとなると、ビデオ会議などでインサイトカメラが必要になることもあるよね。
メインで使ってみて気がついたけど、PD2700Uにはインサイトカメラもモニターもないので注意!
実はディスプレイの下に黒い突起が付いていて、それがカメラなのかと思っていたんだけど、ライトセンサーだそうです。恥ずかしい。
あと、スピーカーがないので作業しながら音楽を流したりもできない。MacMiniのデフォルトスピーカーもおまけ程度の音質の悪さで、いままでどんだけAppleに守られてきたんだろうって実感しながらBluetoothスピーカー買いました。
スリープ前に青画面が表示
MacMiniとはHDMIで繋いでいるんだけど、スリープ時に信号が途切れるとき青い画面が表示される。
「それだけ?」って感じかもしれないけど、レビュー書いているときは気が付かなかったし、Appleに飼い慣らされてきたわたしには「無骨〜!」と思って違和感を感じたよ。知っていれば良かったな、と思って。
4Kだからってディスプレイ2個分にはならない
そりゃそーだよって話かもしれないけど、「解像度2倍ならこれ1台で通常ディスプレイ2台分として使えるんじゃね?」とわたしは思って買ったんだけど、1台は1台です。
正確にいうと、デュアルディスプレイみたいに左に書類、右に作業パネル、とかできるし見えるけど「無骨〜」感は否めない! デュアルディスプレイっぽさはディスプレイを2台繋がないと意味がない!
あと、Macの「Retinaディスプレイ」がでたときにも言われていたけれど、高解像度過ぎて、いままで違和感なく見られていたウェブメディアが、写真がシャバシャバすぎて見ていられない問題が勃発。
というわけで、少しお小遣いを貯めてHDディスプレイを買おうと思います。スピーカーとカメラ、マイクが内蔵がいいけど、それで値段が上がるなら別にいらないかな、と悩みつつ、それは、また、別のお話。
正しい商品名とリンクはこちら
主な特徴:
- 27インチ 4K UHD(3840 x 2160)の高解像度
- 10-bitカラー対応のIPS技術でsRGBとRec.709の色空間を100%カバー
- CAD/CAM / デザイン(アニメーション)/暗室 モード
このリンクで買うとコヤナギに小銭が入る(アフィリエイト)⇒ Amazon
このディスプレイの4Kじゃないやつ
「4Kいらないから安くてデザイナーが使いやすいやつないの!?」って声へのアンサーはこちら↓です!
こっちのレビューも書いてます〜。