いい大人なのに雪を見るとやっぱりテンションが上がってしまうコヤナギユウだよ。
みんなは温泉好き? 草津とか別府とか箱根とか、くわしくなくても、温泉の違いって感じるよね。
「炭酸温泉」って聞いたことある?
夏にごくごく飲むとスカーッと爽快になるあれに入れちゃう「天然温泉」があるんだって。
別府の奥の方にある「ラムネ温泉」が有名だけど、東京暮らしのコヤナギにはちょっと遠い。
けど、なんと、東日本にめっちゃいい炭酸天然温泉があるんだって!
しかも福島県は奥会津!
え? 奥会津ってなに? どこ?
ってことで、今回は福島県は奥会津・金山町(かねやままち)へのプレスツアーで一泊二日の取材旅行してきたよ!
(写真がいっぱいだから通信環境のいいところで見てね!)
温泉とおいしいもの、それと鉄道・絶景好きはぜひ行って欲しいよ〜!
東京から電車で乗り換え2回。新潟からも近かった!
まずは場所。
福島県の西部に位置する金山町は、会津若松よりさらに山あいにはさまれた山間地帯、奥会津にある。
車でももちろん行けるけれど、のんびり列車旅がコヤナギのおすすめ。
東京からだと東北新幹線で郡山へ。
磐越西線に乗って、会津若松から只見線へ乗り換えれば、金山町のある「会津川口」駅に到着。
……というか、ちょっとまって。
金山町、新潟からもめっちゃ近く。
し、知らなかったよ。
今回の取材は車の移動だったけど、主要駅からお宿への送迎があるので安心だよ。
さ、一泊旅行の取材旅行に出発するよ〜!
DAY1.01:赤べこ発祥の温泉街、温泉街会津柳津
はい、いきなり寄り道です。(金山町じゃないけど奥会津ではある)
憬れの絶景列車、只見線に乗るために会津柳津(あいづやないづ)駅へ来ました。せっかくだから、街をフラフラ。
会津柳津もちょっとした温泉街。弘法大師の神力で授かったわき水なんかもあったりして、でもなにより目を引くのはやっぱりこのお寺!
福満虚空藏菩薩圓藏寺(ふくまんこくうぞうぼさつえんぞうじ)!
む、難しい名前だなぁ。
弘法大師に由来するお寺だそうだけど、昭和62年に境内で源泉の噴出に成功し、ここを温泉町にしたそうだ。
また、お寺なのにもかからず、寺院には菊のご紋(天皇の紋なので神道の象徴)が。神仏一体化の時の名残と思われるけれど、なんかいいよね。
断崖絶壁に建てられたお寺。建設も再建も、大変そうだ。
400年前、このお寺は大震災で倒壊してしまったらしい。
再建を試みるも人の力で資材を運ぶのは一苦労。そんなとき、赤毛の牛の群れが現れて大材運搬に役だったとか。その感謝を込めて赤毛のうし=赤べこを幸運を運ぶ縁起物として飾るようになったとか。
会津の民芸品、いつまでもうんうん頷いてくれる赤い牛の置物「あかべこ」を見たことあるだろか。
やないづは赤べこ発祥の街なのだ。
お寺の源泉を身体で確かめたい、と思ったらこちらの「公共の宿 つきみが丘町民センター」の日帰り湯がいいらしいよ。(もちろん宿泊もできる)
やないづの名物はあわまんじゅう。
中でもこの「小池菓子舗」のあわまんじゅうが地元の人には人気なんだって。
さっぱりしたあんこをふわふわの粟でつつんだ逸品。1つから買えるよ。
よし、寄り道完了。
只見線に乗車するよ〜!
DAY1.02:乗り鉄も撮り鉄も憧れ。外国の観光客も多い只見線の撮影ポイント、その1
今回の旅は、JR只見線の乗車からスタート。
只見線は日本を代表する絶景列車で、鉄道好きやカメラ好きには国内外問わず人気なんだとか。
会津若松駅を起点に36駅を通過し、終点は新潟県魚沼市の小出駅。
ほんのり青い只見川の渓谷、紅葉や、雪景色の美しさが有名で、中国のメディアに「世界で最もロマンチックな鉄道」と呼ばれたほど。
そんな只見線のだけど、2011年7月。新潟・福島豪雨災害で、3つの鉄道橋が落ちて、小出ー会津坂下間が不通になってしまった。
こうなるとだいたいのローカル列車は廃線になる。
いくら「絶景」と呼ばれていても、再建費用回収の目処が立たないからだ。けれど、2017年6月、JR東日本と福島県が基本合意し、只見線の復旧が決定。2018年3月から復旧工事が始まるそう。
やったね!
現在の只見線はほとんどが無人駅だけど、復旧したらどうなるのかな。
駅の前には昔活躍していた機関車が展示されていたり、趣のある駅舎だった。
さ、ホームに滑り込む2両編成の列車に乗り込むぞ。
車内には外国人観光客の姿もちらほら。世界から人気があるっていうのはどうやら本当のようだ。日本人の我々も知らない名所はまだたくさんあるんだなって実感する。
連結部分には運転席が見えたよ。座ることも可能。
会津川口駅で降りたら、只見川を河上に向かって10分ほど歩き、大きく川が蛇行するところに到着したら、ここが只見線の撮影ポイント。
向こうに見えるのは大志集落だ。
撮影ポイントについたら画角をチェック。
作業船があるので画角が狭いカメラに構え直した。
といっても山深いローカルな只見線。そう頻繁に列車が走っているわけではないから、時刻表をチェックして撮影に臨んで欲しい。(2018年1月現在、1日に上下線ともにが6本ずつ運行中)
DAY1.03:会津弁と和ろうそくにどっぷり。金山町役場生活体験館
地元の人が教えてくれる、和ろうそく作りのワークショップに参加したよ。
和ろうそくとは、うるしやハゼノキの実など天然素材を使った日本古来のもので、芯にイ草(畳みになるやつ)を使っているのが特徴。
蜜蝋を使った和ろうそくを、作ってみよう。
先生の津軽弁が心地よい。
今回は時短のために先生が芯を作っておいてくれた。これをアツアツの蝋に何度も沈め、バームクーヘンのように太くしていくのだ。
やり始めると楽しくて、みんなで競うように蝋をつける。
およそ25回くらいでこの太さになった。早くない?
芯になる部分、不要な部分をナイフで切り落としたら、アクリル絵の具で絵を付けして完成!
燃やすのがもったいないね。
いいお土産ができた。
DAY1.04:女子旅向けなお部屋がかわいい。シュワシュワ貸切風呂がある恵比寿屋旅館にチェックイン!
会津川口駅からバスで10分。(もちろん宿の送迎もある)
今回の目的地、恵比寿屋旅館さんにチェックイン。
創業は大正9年というなかなかの老舗だけれど、改装されたお部屋は女性を意識した作りの部屋もあり、浮かれた女子のミーハーな旅も歓迎されている感じがする。
ここの特徴はなんといっても源泉掛け流し100%の温泉と、旬を盛り込んだ会津創作料理だ。
貸切だからアワアワ写真が撮れる炭酸風呂!
まずはお風呂の魅力について書いていこう。
「秘湯を守る会会員宿」で、「玉梨温泉」を源泉とした赤褐色の鉄分豊富な内湯のお風呂も気持ちいいけれど、特記したいのは2年ぶりに源泉が復活した「八町温泉」の炭酸風呂!
ソーダのごとくアワアワがまとわりつく様は、つい写真に撮って友だちに見せたくなるけれど、みんなが裸で入ってる場所にカメラは持ち込めない?
恵比寿屋さんなら大丈夫!
だって貸切風呂だから!
月の形に切り抜かれた窓に浮かぶ上がる雪景色も美しい。
iPhone7以上なら防水だよ!
泡の記念写真を、誰も気にせずに撮っちゃおう。
会津の郷土とアイデアが融合した創作料理
旅館の楽しみといえばやっぱりお夕食。
温泉宿の夕食といえば、海がないのになぜか舟盛りとか出てきちゃうけど、いやいや……。
山があるのが魅力なんだから、ムリしてお刺身なんてださなくていいの!
せっかくだから、その土地の郷土料理をいただきたいよね。
恵比寿屋さんのお食事は会津の旬の食材を生かした郷土料理をベースに、発見のある創作料理もプラス。なつかしいけど新しい、そんな味わいが楽しめる。
朝ごはんはオーソドックスで美味しかった。胃腸にやさしいと言われる八町温泉で炊いたお粥がお気に入り。
そうそう、会津といえば民謡「会津磐梯山」をご存じ?(新潟出身のコヤナギは知ってる)
♪会津磐梯山は〜たかぁらぁのやぁ〜まぁよ♪ で、始まるのだけど、囃子詞が有名で
朝寝、朝酒、朝湯が大好きで、それで身上つぶした。
はぁ〜もっともだ〜、もっともだ!
というもの。
つまり、それくらい会津の酒や風呂が魅力だってこと。
だから、朝食をいただいたあとに入る朝風呂も最高だよ。
はぁ〜もっともだ〜、もっともだ!
DAY1.05:空き時間を狙って混浴に挑戦! ディープな共同浴場にどっぷり。
時間軸は少し前後する。金山町へ温泉目的にやって来たのなら、湯巡りしない手はない。
古くから温泉が湧いている街に必ずあるのが、地元の人に愛されている共同浴場。ここ、金山町も例外なく、地元の人が利用する素っ気なさが魅力な共同浴場が2つある。
観光客向けのキレイな温泉もいいけれど、コヤナギはこういうディープな場所が大好きなのでお風呂のはしごをしてきたよ!
アッツいお湯が骨身にしみる玉梨温泉共同浴場
知らなければ物置小屋だと思ってスルーしてしまいそうな外観。
中は脱衣所と湯船というシンプル設計だった。浴槽は男女分かれており、そのお湯に触れたら一言目は「アッツ!」であることを保証しよう。
肌感的におよそ45℃。赤褐色の鉄分豊富なお湯は、1分入っていられたらなにかの願いが叶いそう。
しかし40秒もガマンすると、あと5分くらいは行けそうな気分に。
気持ちよすぎるから湯あたりに気をつけて。
混浴でも入りたい! 情緒あふれる八町温泉亀の湯
通りにでている小さな看板。
心細い階段の先になにやらただならぬ気配が。真っ暗な室内に人の気配はなく、目をこらして電気のスイッチをつける。
目の前に表れたのは大きな浴槽がひとつと、左右に分かれた脱衣所。
ここは混浴なのだ。
お湯は2年前に復活したぬるめの炭酸「八町温泉」にアツアツの「玉梨温泉」をブレンドして適温にしたという、なんとも町民らしい合理主義的な名湯で、残念だから泡はつかない。けれど、この趣だけでシビれます。
夜中の0時頃、一人でこっそり入ったよ。
そして朝、写真を取りに来たら誰もいなかったので、載せておくね。
DAY1.06:炭酸温泉狙いなら絶対立ち寄りたい、せせらぎ荘
炭酸温泉の魅力をもっと肌で感じたいのなら、必ず立ち寄って欲しいのが金山町温泉保養施設「せせらぎ荘」。
2016年9月にリニューアルオープンしたばかりで、2つのお湯が楽しめる。
芯からこっくり温まる熱くて赤い濁り湯の「玉梨温泉」(写真左)に、シュワシュワ細かい泡がつく「大黒湯」(右)だ。
とくにここの炭酸温泉・大黒湯はお湯の吹き出し口が浴槽の中で、吹き出したばかりの炭酸温泉が空気に触れずそのままミーツ! 海ぶどうと称したいほど体中が泡だらけになる。
炭酸温泉は特質上、どうしてもぬるめになってしまいがち。
だけど、泉質の分析表作成当時は36.8℃だったお湯が、なぜか現在39.3℃! ショワショワしているのに温泉感ある温まり具合が楽しめるよ。
コヤナギのおすすめは、体中に泡を蓄えたら、そのまま手のひらでギューッと押しつけること。なんかプチプチが肌の奥に浸透していくような気がして、(ぜったいに物理的にそんなことは起こらないって知ってるけど)まぁシンプルに気持ちいいのでぜひ試してみて。
レストランや休憩室もあるよ。
DAY2.07:大雪原を独り占め!? フェアリーランドかねやまスキー場
時間があるならば、ぜひウィンタースポーツも楽しんで欲しい。
会津の山々を望む町営スキー場は、よく見るとジャンプ台が!?
福島県のスキー上では2018年1月現在20〜22歳は平日リフト代が無料だったり、19歳なら日曜でもいつでも何度でも無料という太っ腹ぶり。
公式サイトによると「混雑とは無縁」とのことで、ウィンタースポーツのコソ練にぴったりだ。ゲレンデマジックに磨きをかけろ。
DAY2.08:天然軟水炭酸水、沸いてます! 大塩天然炭酸水 炭酸場
入るタイプの天然炭酸温泉ばかり紹介してましたけど、ありますよ、飲めるタイプの天然水!
もちろん、恵比寿屋のお粥みたいに炭酸温泉をお料理に使ってもいいんですけど、できればキリッと冷たい炭酸水、飲みたいですよね。
キリッと冷えた冷鉱泉、あります!
会津横田駅から徒歩25分。
もう〜この入り口だけでだいぶテンションが上がってしまったコヤナギだけど、奥会津金山町の天然炭酸水は、世界的にも珍しい軟水・微炭酸な天然炭酸水。
料理の邪魔をしない上品な味わいは、古くは「太陽水」と名付けられ、地元では薬泉として愛されていたそう。
近年では伊勢志摩サミットで世界の国賓に提供されたほど。
日によって井戸の水量や風味が多少違うとのこと。こんこんとわき出ていた天然炭酸水は、となりの工場でそのままボトリングされ、お土産・通販などで購入可能。
この日、わき出たばかりの炭酸水は、少し鉄の味見が強く感じたよ。
DAY2.09:二酸化炭素含有量日本一の名湯・大塩温泉 共同浴場
炭酸温泉の特質で泡がつくお湯はぬるめ、というのは先に書いたとおり。
でも、泡が抜けてしまったからといって泉質に大きな差があるかというとそうではなく、熱を加えることでソーダの元である二酸化炭素が水中に溶け込んでしまうんだソーダ。(ごめん、どうしても書きたかった)
ということは、泡がつかない炭酸温泉の方がその効能が濃いといえるかも。では、日本一二酸化炭素含有量が多い温泉はどこにあるのかっていうと、めっちゃ都合がいいことに金山町にある!
先ほどの炭酸場から徒歩10分。
入浴料はたった300円。
大塩温泉 共同浴場は遊離二酸化炭素とナトリウムを多く含んだ塩化物・炭酸水素塩泉。……む、難しいことは分からないけれど「美人の湯」と呼ばれてるし、迷わず入浴!
「泡がつかない」といわれていたけれど、じーっとしてると、ほんのり泡がついた気がしたよ。
水害の影響で2015年にリニューアルオープンしたため、建物はとっても綺麗です。
DAY2.10:食事のために大切な人と再訪したい、旅館鶴亀荘
そんなふうに紹介する素朴な旅館、鶴亀荘。
到着時、ちょうど晴れて只見川が美しく緑色に輝いた。
ご家族で経営しているという田舎の温泉宿然としたこぢんまりとした雰囲気に、清掃の行き届いた清潔なお部屋。自慢のお風呂はもちろん源泉掛け流しだ。
お風呂ももちろんステキなのだけれど、「ご主人が腕を振るうお料理」がちょっと尋常じゃない。
「旅館の夕飯」の域を脱している。
上品な味わいに加え、繊細な器、彩りあふれる盛り付けが、完ぺきすぎる。
今回は取材ということで夕飯のメニューを昼提供していただいたけれど、本来、こちらは2時間かけてゆっくり楽しむメニューのことで……ああー、プライベートで来たいわ。
この食事をいただくためにここに来たい。
DAY2.11:道の駅となりの只見線の絶景ポイントその2でバイバイ、金山町。また来るよ!
奥会津金山町を出発し、一泊二日の取材旅行は早くも帰路へ。
さよなら、金山町……の前に、車があるならぜひ行きたい場所がある!
会津西方駅の対岸、252号線沿いにある道の駅「尾瀬街道みしま宿」の近くに、只見川第一橋梁ビューポイントがあるのだ。
ちゃんと看板もあり道も整備され、ビューポイントには電車が通過する時刻表まである。
雪の中、カメラを構えてじっと待つ。
ローカル線だから大幅な遅れなども覚悟した、けれどほぼオンタイムに列車は登場。わたしのカメラではちょっと遠いけど、その勇姿を捕らえることができた。
奥会津は電車を乗り継いでも、車で高速道路を飛ばしてきても、東京からは5時間近くかかる。「お手軽」な場所ではないだろう。
でも、東京から時間をかけて離れた分、楽になる気持ちがきっとある。
時間を有効に使うために、自分を大切にするために、しっかり移動してみるのもいい。
しかも、奥会津金山町には最高にリフレッシュできる、シュワシュワの天然温泉が待っているのだ。
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この旅は奥会津・金山町(かねやままち)のプレスツアーで訪れ、交通・宿泊・飲食費をご負担いただきました。記事の監修・編集は受けておらず、金銭は発生しておりません。感想はコヤナギ自身の主観によるものです。
また取材中はTwitterなどで「#奥会津金山町たのしー」のタグをつけ、ニッポン旅マガジンさんがその様子をまとめて下さっています。
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最後まで読んでくれてありがとうございました!
この記事は7800文字ありました。
書籍にするとおよそ11ページ分です!
コヤナギの記事は写真もいっぱいあるから、本当に本だったら倍以上のページを読んでると思う。
「活字離れ」とかいわれるけどさ、けっこう読めてるよね。
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