TRIP

大事な写真はRAWで撮れ!? 見よ、これがオーロラ爆発だ! #イエローナイフへ行く理由 06

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SUCCESS!

カナダ観光局さん「オーロラ王国カナダ」のブロガー観光大使になって、2013年12月5日から5泊6日でカナダはイエローナイフのオーロラをハントして来ました!

この日、2つの「今期初」に遭遇します。
いずれも私にとっては「人生初」ですが、そのひとつは「オーロラ爆発」です!

イエローナイフ初日から、収まらないオーロラに寒さより眠気に負け、それでも4時まで粘った撮影。
翌朝はたっぷり寝坊して10時起床。

他の中国人観光客のみなさんは帰り支度で、自宅のように静まり返ったリビングで、朝ご飯はパンケーキ。

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好きなだけ食べれます。もちろん、メープルシロップをかけて。

腹ごしらえが済んだら、極北の短い日中を駆け抜けましょう!

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AKIRAっぽくて見た目は非常に気に入った、スノーモービルですが、ビビリのくせに勢いの良い私はスピンカーブをかましてあわや転倒。
極個人的人智を超えた代物は、あんまり扱えないワタクシです……。
(タカサカさん、ヒヤリとさせてすみませ)

というわけで、私はこちらがおすすめ!

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かーんーじーきー!(ドラえもんカラーで)

日本でも古来から使われている、新雪を歩くための道具ですが、こいつのなにが凄いのかというと「沈まない」それに尽きる。

-20℃を下回る極寒地で、雪はレミオロメンも真っ青の粉雪ですから、雪は「積もる」というより「吹きだまりに集まっている」といったところ。
足で踏み固めると言う概念すらない。雪が溜まる=砂地獄同然のさらっさらぷりなので、これを履いていないと全く歩けない場所も。
特に、少し丘になっているようなところはこれがないと入れない。

おさんぽの前に、罠を仕掛けておきましょう。

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エノダロッジのスタッフ通称「テンプラ」さんがモーター式の何かを轟音を立てて突き刺しています!
やがて、この機械がスコンと軽く上下に動くようになり、すっぽ抜くと……

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穴ーーーー!

そう、ここも、先ほどスノーモービルで疾走したあそこも、広場のように見える場所は全部、湖の上!

サラッサラのパウダースノーを押し分けると、湖面が見えます。

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この深い深いブルーの奥は……肝が冷えます。

先ほどの穴にこんなシカケをして……

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二股の枝の片方の先に糸を吊るして、この棒が動いていたら魚がかかった証……というシンプルなアイスフィッシング。
もはや見守り待つ必要さえない。

さて、罠を仕掛けて、カンジキおさんぽへ行きます。

少し山になった場所は、この湖の陸地だったんだな、何て思いながら、自分の足音と、息づかいしか聞こえない世界。
野生動物の足跡を眺めて、新しいな、なんて思ったり。
カンジキで歩く世界は静かで、私はとても気に入った。

目の前に広がる極北の淡い昼の空。
それをたたえる真っ白な雪。
思わず、飛び込んでみた。

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しゃわしゃわ、ほわほわ。
大気中の水分が少ないから、雪は砂のように細かい。けれど、軽い。
思わず、温かい、なんて思ってしまいそうだけど、超マクロモードで撮影して見ると、しっかり雪の結晶が。

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きれいだなーなんて声が漏れて、なぜか泣きたくなる。

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辺りの風景が美しすぎて、空気が済んでいて、聞こえるのは私の息を吐く音だけ。

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ああ、もう日が沈みそうだ。

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昨夜、たくさん被写体になってくれたティピ。

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サイトをよく見たら、エノダロッジのオーロラ宿泊プラン(冬)は一泊からあった!
静かに、ゆっくり、マイペースな滞在が出来るからおすすめ。

マイペースすぎて髪とまつげが凍りました。

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何気なくさんぽをしていたら、一周していた。
そういえば、さっきの罠、どうなっただろう。

アイスフィッシングの話は渡航前から「そんなに簡単には釣れない」と聞いていたので、期待していなかったのだ。

そうだよね、自然が相手だし。

近づいて見ると……凍ってて分らん。(笑)

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誰もいないし、もう少しロッジの周りを探索してみよう。

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昨日は暗くて分らなかった雪上車の前で、かっこよく写ってみた。「オレの」って感じで。

他のお部屋も見せてもらう。
こちらの大きなロッジの方が新しそうで、大きな部屋が4つくっついているので温かそう。
上にカナダ国旗も立っている。

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こっちの方が広くて、上にファンまでついている!
大人数ならこっちのほうが楽しいだろうなぁ。

エノダロッジではキッチンのあやさんのほか、先週からワーキングホリデーで働き始めた日本人の青年も。
(ケンジくんっていったけかな。写真は氷の燈籠作ってるところ)

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困った時は日本語が通じるって言うのは、安心だね。

そうこうしてる間に日が暮れた。
月が顔を出した。

この時間帯の、この色が好きだわ。

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また一周しちゃったし、そろそろマジックアワーも終わって真っ暗になりそうだから釣りの罠をチェックするかぁ。

パッと見は、やっぱり凍ってて分らない。

表面の氷をパリパリを割って、撤収するつもりで枝を引き揚げると……

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い、いたーーーーーーーーーー!!!!!
なんか、釣れとるーーーーーーーーーー!!!!(驚き過ぎてピンと合わず)

テンプラさん「いやぁ、実は今季初めて釣れたよ。」

まじかー!!

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「獲ったどー!」ってやりたいけど……

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戸惑いの方が勝つ私。

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水揚げされた途端、瞬間冷凍されてしまうノーザンパイク。
これでも小振りらしいです。

本当はこれくらいあるらしい。

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さて、とっぷり日が暮れて、ダウンタウンへ戻ります。
エノダロッジへ来る時は、雪上車で来たけれど、帰りは……スノーモービルで!

スノーモービルなら20分で公道まで戻れるってことだけど……20分もスノーモービルの後部座席に座って、寒さをしのがなくては!

持てる限りの防寒着を着込んで、いざ文明開花! どんと来いヒャダルコ! と、気張ってみたけれど、意外と爽快!

とっぷり日が暮れた夕方のイエローナイフだし、スノーモービルの後部座席で振り落とされないよう、両手はしっかりつかまっていて写真は一切ないけど、楽しい!
雪道のこぶがあるたびにゴフンゴフンと機体は揺れて、雪までふってきて、防寒着のファーをくぐり抜け、ひたひたと雪が顔に触れる。
フードがズレて狭くなった視野を、細心の注意を払っててで押し開ける。
夜道を照らす視野の狭い道。
行く先を避けてくれているような木々。
スンと背筋が伸びる冷気。
私は静かに興奮する。

やがてスノーモービルは公道近くの乗り換えポイントに到着し、テンプラさんやラグナーさんとハグをして別れ、バスに乗り込んだ。

たった一晩だけの、家族のような、すてきなエノダロッジ滞在だった。

バスに乗り込んだのは18時頃。
日の入りが15時のイエローナイフはすっかり夜のように日が暮れていて、その空には早くもオーロラが踊っていた。

タカサカさん「上出先生に昨日メールしたら、もう返事が来てたよ」

パソコン上出先生のオーロラ便り

タカサカ様
撮れたての赤いオーロラ写真、ありがとうございます。
天気がころころと変る1日だったのですね。
しかし、わたし的にいますと、昨夜のエネルギ-はマイナーと分類される「小規模」オーロラでした。
それに対し、今晩は多いに期待されます。
イエローナイフの磁場変化は、わずか150 nT でした
今日は大いに期待できます。太陽風磁場、密度、速度とも大幅に上昇しています。あとは、タイミングの問題だけです。

上出洋介

コヤナギ(さすが、タカサカさんは上出先生と仲が良いんだなぁ)

タカサカさん「このオーロラも、もしかしてブレークアップなのかなぁ」

バスの窓越しにオーロラを眺める。

バスはホテルに着き、荷物を下ろしてダウンタウンへ。
夕飯をいただきにやってきたのは「スシノース」!

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イエローナイフに行ったら「北極イワナ(アクティクチャー)」の寿司を食べるが良し、とのイエローナイフ先輩のアンドウミカさんの教えだ。

寒かったので寿司の他にうどんを……、馴染むわ~!

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そしていよいよ寿司を……と思ったら、スシノースのオーナ鈴木さんがご登場。
もちろんタカサカさんと旧知の仲で、私の紹介をしてくださる。

「アクティクチャーのお寿司がおいしいと聞いて、紹介したいと思って来たんですよ~」

するとやや表情を曇らせる鈴木さん。

「い、いや~。やっぱりここは極北で、海も遠いでしょ? だから魚は冷凍で輸入してるんだけど、どうしても冷凍の状態が良くない時があって、今日は……あんまり……」

そこへ、ちょうどお寿司が運ばれて来た。

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……なるほど……。

鈴木さん「言ってるんだけどね~。なかなか通じなくて。でも今後はもっといい状態の魚を仕入れられると思うよ」

気を取り直して、鈴木さんは奥から大きな看板を持って来た。

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「オーロラ灯台プロジェクト」

なんでも、スシノースを始めとするお土産屋さんなどで、オーロラ予報の灯台をおく試みを始めたらしい。
もちろん、このスシノースの上でも。

鈴木さん「地元の人でも案外オーロラのことは分らないもので、綺麗なオーロラは見たいわけ。凄いオーロラが出そうな時はうちや、ビジターセンターでこのオーロラ灯台でサインを出そうと思って」

お、ビジターセンターなら昨日行きました!

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鈴木さん「ここ(スシノース)はフリーWi-Fiも開放してるし(パスワードは店員さんに聞いてみてね)、僕がいればオーロラの撮り方も教えるから、イエローナイフについて分らないことがあれば、気軽にスシノースに来て」とのこと。

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スシノースの外観。
灯台、発見!

さて、いよいよオーロラビレッジへオーロラハントへ出発。

そうそう、タカサカさんからオーロラ撮影のためにピントの合わせ方を教わった他に、もうひとつ助言をもらった。
それは「RAW」で撮ること。

「RAW」とはデジタルカメラの保存形式で、撮った全てのデータを残したオリジナルのこと。
通常jpgなどに書き出す際にはオート補正がかかっているそうだけど、RAWはその補正を掛ける前で、ホワイトバランスなどの変更は撮影後にも行える。
しかも、オリジナルデータの劣化なしで。

よく分からないけれど、オーロラ写真をあとから編集する大切さはなんとなく分ったので、jpgとRAWの両方で残るよう、カメラの設定を変更。

そして、分らないながらいろいろなRAW編集ソフトを探ってみた。

私はMacを使っているので、写真の管理は基本iPhoto。
iPhotoでもRAWの編集が出来る。とても簡単な簡易版な感じだけど。

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私のカメラはLUMIX GF3なので付属のCD-Rに専用RAW編集ソフトがあるんだけど……紛失しちゃった。
そんなわけで、iPhoto以外でLumix GF3で撮ったRAWデータを触ろうと思ったら、書き出す必要があったよ。

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この「種類」で「オリジナル」を選択。

せっかくだからプロの人がよく使っている写真現像ソフトもダウンロード。試用してみる。

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な、なんか出来ることいっぱいあり過ぎて、難しい……!
スノーモービルと同じで、便利すぎると使いこなせない私です。

くじけていると、カメラマンの友達が、Photoshopで現像してるとのこと。
Photoshopなら、デザイナーの私はいつも扱っているソフトだからやりやすいかも。

本来、Photoshopが対応してるカメラなら、開くだけでRAWの編集画面に行けるんだけど、LUMIX GF3のRAWは未対応らしい。
そんな時の裏技を教えてもらった。

iPhotoから、画像を書き出すとき「TIFF」を選択。

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種類:TIFF、ね。
Photoshopで「開く」を選択し、選択対象も形式も「Camera Raw」に。
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データはTIFFだけどね、「Camera Raw」だって言い聞かせます。

これでムリヤリRAWのデータとして編集画面を開くことができるのだ。20140113_979029

こんなPhotoshop画面、見たことなーい!

でもどこをいじれば良いのよ?ってなるよね。

ポイントは「明瞭度(全体的な明るさ)」。
後は好みで「色温度」「色かぶり」、「彩度(あざやかさ)」ってところかな。

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こんな感じで、見た目や印象に近づける。
操作によっては写っていないと思っていた色まで出てくるから、「現像」の可能性は無限大。

やればやるほど分らなくなって来てしまう現像地獄(笑)。

結局、私は面倒になってしまって、iPhotoで大雑把に編集。
いつか、書籍にでもオーロラ写真を載せたい時に本腰入れて現像しようとあきらめました。

撮ってからも大変なオーロラ写真。

もちろん、撮る時にも葛藤があります!

時間軸をイエローナイフに戻しましょう。

そう、オーロラビレッジへ向うバスの中です。
繁華街から30分ほど、街の明かりが届かない郊外まで移動。

バスの中ではスタッフの方が詳しい説明を日・英・韓で話しています。
40人は乗れそうな大型バスは、一席の隙もないくらい、満員です。

タカサカさん「さっき、バスから見えたオーロラはブレークアップ(オーロラ爆発)じゃないんだって」

コヤナギ「そうなんですか?」

タカサカさん「日本の上出先生からメールが来てた」

パソコン上出先生のオーロラ便り

それはブレークアップではありません。
北欧ーグリーンランドでのブレークアップの西方伝播効果が見えただけです。
ブレークアップは、midnight sector 以外では、オーロラだけでは判断できません。
ちなみに、その時刻に
イエローナイフでの磁場変化は 50 nT
Abisko では 500 nT
でした。
でも、これからがイエローナイフでは本番です。

上出洋介

コヤナギユウさんはどうしていますか。

コヤナギ「え!? もしかして、私にもメールくださってるんですか?」

タカサカさん「たぶんそうだよ」

イエローナイフについてから、全くメールを見ていなかったので気がつかなかった。
(ジャンクメールが多いのでiPhoneからメールをみても追い付けない)

バスはオーロラビレッジに到着。
拠点にするティピ(先住民のテント)ナンバーを教えてもらう。
我々は「9」番の20人用のティピだ。
昨日、撮影に活躍したティピに比べるとずいぶん大きい。

オーロラビレッジは想像以上の広さで、こういったティピがいくつもあり、本当にちょっとした「村」になっている。
中にはお土産物屋やレストランもあり、鑑賞の延長券や寝転びながら360℃オーロラ鑑賞できる「オーロラコタツ」のチケットもお土産物屋さんで買えるようだ。

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上出先生の本もたくさん売っていた。
2月には20日間もオーロラ観測する先生もここでオーロラ観測されるらしい。

ティピの中では温かいコーヒー、紅茶、ココア、緑茶のサービスがある他、軽食として日替わりのスープと先住民のパン「バノック」も頂ける。
バノックは素朴なスコーンという感じで、メープルシロップ・ローズマリー・砂糖を加えた特製バターを付けて頂く。

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防寒装備を整えて(ドラクエっぽい!)、いざ、オーロラ撮影へ。

取った後の編集もいろいろ出来るけど、撮りながらも試行錯誤したよ。

特に悩むのがシャッタスピード。

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ISO 1600 / 25秒 (ホワイトバランス:晴れ、F2.5は以下同じ)

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ISO 1600 / 15秒

オーロラの強さに合わせてシャッタースピードを調節する。
だんだんオーロラが強くなって来た。

オーロラビレッジは確かにたくさん人がいるけれど、湖の方にはあまり人が来ない。
だから、たくさんの人が居て雰囲気がない、なんてことは全然ない。

昨日、エノダで感じたような静けさが訪れる。

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ISO 1600 / 15秒

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ISO 1600 / 8秒

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ISO 1600 / 6秒

オーロラに合わせようと思うとティピが眩しく写りすぎるし、ティピに合わせるとオーロラがないみたいになっちゃう。
人間の目って、本当によく出来てるんだなって思う。

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ISO 1600 / 5秒

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ISO 1600 / 20秒

写真がきれいに撮れるのは、弱いオーロラが出てる時に、長時間露光で撮ったものだ。

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ISO 1600 / 10秒

印象を撮るのか、作品を撮るのか、目に見えたままを撮るのか、はたしてそのいずれも撮れるのだろうか。

バッテリーがすぐに冷えて、残量がゼロになる。
肌の近くで温めていた予備バッテリーと交換して、撮影を続行する。
液晶画面のレスポンスもどんどん鈍くなる。
そうか、液晶も凍るんだ。

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ISO 1600 / 10秒

わ、やった! カナダ観光局の「オーロラ王国カナダ」みたいな写真が撮れた!(笑)

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ISO 1600 / 5秒

木々の近くの明るい色は町灯り。車で30分以上離れても、暗闇の中ではこんなに目立つ。

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ISO 1600 / 5秒

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ISO 1600 / 5秒

オーロラの色は淡い。
出始めの弱いオーロラでは、目で確認できないくらい、白いモヤのようだ。
それでもカメラで20秒も露光すれば捉えることができる。
それはまるで本当に「猟り」のようで、「あそこにオーロラが出始めてるぞー!」といったドキドキ感がある。

だけどこの日のイエローナイフのオーロラはそれとは違った。

最初からしっかり、目で確認出来ていた。
露光時間はたったの5秒だ。

人工的な夜景を撮影するのと、そう変わりのない短い露光時間。

変化はすぐに訪れた。

突然空が破けたように明るくなった。

初めて見る光景だったけど、とっさに動いた。

せっかく「ここ」にいるのだから、「オーロラビレッジ」だと分る写真を撮ろうと、湖の誰もいないところで撮影していたが、三脚を持って走った。
ティピや、このオーロラを見上げる人が見える場所に。

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ISO 1600 / 5秒

「5秒!」やっぱりたったの5秒で、写ってるんだ。
私の目が、慣れたんじゃない。

オーロラが、何やら大変なことになっている!

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ISO 1600 / 2.5秒

「2.5秒!」

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ISO 1600 / 1.6秒

「1.6秒!」

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ISO 1600 / 1秒

「1秒!?」

まだ映るの!?

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ISO 1600 / 0.5秒

「0.5秒ーーー!」

これ以上シャッタースピードを長くしたら、空が全部緑になってしまいそうだった。
星が霞んでしまうくらい、オーロラが、眩しい。

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ISO 1600 / 1.6秒

カメラの液晶を確認している間にも、次々に表情を変えるオーロラ。

きっとこれが「オーロラ爆発」だ。

あまりにも激しすぎて、色の移ろいも早く、全く写真に捉えられない。

カメラに写っている黄緑だけじゃなく、白や、ピンクや、赤の筋が、踊って消えて、留まって、また消えて、現れて。

それが全天空で繰り広げられている。
とてもじゃないけれど、収まらない。

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ISO 1600 / 2.5秒

オーロラの緑だって、黄色っぽいのから青っぽいのまでさまざまなのだ。

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ISO 1600 / 2.5秒

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ISO 1600 / 6秒

オーロラ爆発のピークは静かに去った。
私のカメラには、オーロラの色彩が写るようになった。
ピークの時より繊細に、落ち着いたオーロラはカメラの中で舞っている。

今回も惨敗だなぁ、なんてつぶやく。

オーロラ撮影で、納得のいく写真が撮れる日が来るのだろうか。

がんばりたいけれど、カメラなんかに納まらないで欲しい、とも思う。

ここに来て、必至で撮ろうとして、私はまたカメラを放り投げて、大の字になって空を仰いだ。

大空のカーテンを、極北の大地に放り出して大空を見上げた。

オーロラの語源は暁を連れてくる女神の名前だ。

神様を、こんな小さな写真に収めようなんて畏れ多いことなんだ。

そう言うことにして、撮影を辞めた開放感が嬉しかった。

本当にステキなオーロラは撮れない。

だから、実際にここまで来る必要があるのだ。

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ISO 1600 / 6秒

……ちなみに、同じ環境下でオーロラ写真家のタカサカさんが撮影すると、こんな感じになります。

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Photo by Yuichi Takasaka

う、う、写ってるじゃーーーーん!!!!

しかも、今回のこの「オーロラ大使」になるにあたって、面談でこんなプレゼンボードを書いたんですけど、

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タカサカさんがこんな写真も撮ってくださいました。

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Photo by Yuichi Takasaka

もう、ビックリしちゃうよね!!!

ちなみに、この日のオーロは今季初のオーロラ爆発だったそうです。

本当に、あまりにも明るかったからコンデジの「夜景モード」でも写ったよ、オーロラ。

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パソコン上出先生のオーロラ便り

UT 8時過ぎ(イエローナイフ時間1時ですよね)が、 280 nT のブレークアップでした。3晩続けてというのは、運がいいですね。羨ましい。

上出洋介

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くわしい写真満載:この日のリアルタイム更新(コヤナギ)

上出先生のおすすめ著書2冊と、タカサカさんのオーロラ写真が使われてる洋書

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