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神戸三宮で時が止まった、欧風料理もん

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チェーン店が軒を連ねる繁華街、神戸三宮。地元民はもちろんのこと、観光客で常に人がごった返している中、「古き良きあの時代」で時が止まっているような創業1936年の老舗レストランがある。

その名は「欧風料理もん」

言わずと知れた有名店だが、恥ずかしくもこの時まで知らなかった。「美婦貞奇(ビフテキ)」の看板の横を通り、重厚な扉を開けると1階は喫茶店かバーのようなカウンターが出迎えてくれる。

階段で2階へあがるとその先には小さなエレベーターもあった。さすがハイカラだ。テーブル席や小上がり付きの和個室などもあるが、もし予約でリクエストできるのならば、4階がおすすめ。初代店主が趣味で集めた江戸時代の古看板が壁一面にびっしりと展示されており、タイムスリップ感が加速する。

識字率が低くても商売がわかる江戸時代の骨董看板

この日、接客してくれたのは二代目女将の日笠尚子さんだった。テキパキと注文を取り、おすすめもどんどん提案してくれる。特に「オムライスは箸で食べるのとスプーンで食べるのと、美味しさが全然違うから試してみるといい」という情報は試さずにはいられなかった。

お味噌汁がついてくるところがいい。
もちろん、スプーンでの味わいが格別。

どれを頼んでも当然ハズレなし。メニューのイラストは神戸を代表する版画家・川西英によるオリジナルで神戸らしさが詰まっている。

食後にコーヒーをいただいた。一皿のボリュームがけっこうあるので、女性ひとり旅ではひと品いただくだけで精一杯だが、好奇心が一皿で満たされることはないので、再訪は必須だ。

information

欧風料理もん

〒650-0012 兵庫県神戸市中央区北長狭通2丁目12−12
営業時間:11時00分~21時30分
定休日:毎月第3月曜日
クレジットカード:可

※記事の内容は取材当時のものです(2018年10月)

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